2009年12月21日

ここまでのプロジェクト成果と、精度Upのお知らせなど

■ この1ヶ月と、最近のTypeBPの成績

AutoTraderを公開して約1ヶ月が経過しましたが
概ね想定通りの反応が得られて、作者としては大いに手応えを感じています。
…現在、TypeBPがやや不調に映るため不安を覚えている方も居られると思いますが
大体システムの反応は目論見どおりで、作者としてはこの1ヶ月でプロジェクトへの自信はより深まり
この感じでいけば、最終的なプロジェクト達成も夢ではないな、というのが正直な感想です。

ただ、そうは言っても実際TypeBPは負けている訳で
これでは、不安な自分の本心を偽るために『大丈夫!いい感じだから!!』と
声高に連呼している人のように受け取られかねないので
もうちょっと、どの辺りが目論見通りなのかについてきちんと書いてみます。

ただ、FrameTradeの仕組み自体は秘密であるのと
仕組みの有効性について書くと物凄く難解になるので、ある程度断片的にはなります。ご容赦ください。
※ 途中難しくてよくわからない!という方は読み飛ばして次に進んで頂いて大丈夫です

■ "勝つ"と"負ける"は同時に起きるのが最も望ましい

話をわかりやすくするために、具体的に書いて見ます。

まず、とあるシステムがあったとして、それが
『+100pipsにTP、-90pipsにSLを置き、勝率50%』
というものだったとします。
…2回トレードするたびに+10pipsずつ増えていきそうですね。
これを資産100万のレバ20倍で運用したとします。
すると

100 → 120 → 98.4 → 118.08 → 96.82

こんな感じで減っていきます。
(上では勝→負を交互に繰り返してますが、
これは別に負→勝でも、負負勝勝でも、勝負負負勝勝でも一緒です)

ただ、このシステムがもし2つあり、片方が勝つ時もう一方が負けるのであれば
システムAをレバ10倍、システムBをレバ10倍の合計レバ20倍で運用すると
Aが+10万の時Bが-9万なので

100 → 101 → 102.01 → 103.03 → 104.06

こんな感じで1%ずつ増えていきます。

…今回は話を先に進めたいので、細かい計算となぜそうなるかは割愛しますが
ただ、ここで肝心なのは「勝つと同時に負けたから増えるのだ」という事です。

システムなんて、それぞれがいつ勝っていつ負けようがどうでもいいと思うかも知れませんが
運用上は全くもってそんな事はないです。
もしシステムAとシステムBが、同じタイミングで勝って同じタイミングで負けていたら
最初の例のようにどんどん減っていきます。

後者がなぜ増えるのかと言えば、勝つと同時に負けること―つまり
『相関性のないポートフォリオごとに、なるべく低いレバレッジを割り当てられたから』
というような理由です。

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そんな訳で現在、TypeBPは資産-2~3%くらいの負け、Free-TypeAは資産+6~7%くらいの勝ちであり
有料版の方で負けを引いてしまっているのは申し訳ないのですが
現状、同じEURUSD内でこのように明暗がきちんと分かれているというのは、プロジェクト上大変好ましい事です。
両方が勝つよりも好ましいとすら言えます。

もちろん、まだ開始当初ですし両方勝った方がその時点としては嬉しいのですが
長く大きなプランの前では最終的に『勝ったら、その後負けるであろうこと』を常に踏まえてますから
その点では、勝っていると同時に負けているという推移は、大いに理想的な状態です。

またそういった意味では作者がこれまでFrameTradeの拡大を常に目指して
ひとまずの目標を『3通貨ペアで3種類ごと、合計9ポートフォリオ』としているのも、背景は同じです。
『Aが勝つ時、Bは負ける』というのを実際に実現するのは難しいですが、
ポートフォリオが9つくらいに分かれているとかなり近い状態になります。

ただ、複数が望ましいと言ってもそれでも現状のFree-TypeAを有料プロジェクトに含めることはいたしません。
Free-TypeAが今回TypeBPより勝っているのは、たまたま今回の第一投がそうだっただけで
作者は目先の利益では考えていないので、
『今、Free-TypeAが勝ってます!!オススメです!!!』などという
今だけ良ければそれでいいような煽り方をする事は今後もありえません。

この辺り、FrameTradeの特性やポートフォリオの実力というのは、ボーリングみたいなのを想像してもらえば近いです。
第一レーンで、素人がいきなりストライクを出し、プロがスペアだったとしても
第10レーンに到達する頃には、大体、スコアには順当な差が刻まれているでしょうという感じに近いです。

とはいっても、Free-TypeAも充分良いものなので、無料版の方にはそのままお使い頂けたらと思います。

■ ついでにポジションの相殺について

今後ポートフォリオが増えて、たとえばTypeBP, UM の2つになったとして
EURUSD内で、もしそれぞれBuyとSellに分かれて相殺したら意味がないのでは?と
思った方も多いかと思います。第一感としてそう考えるのはもっともです。

しかしこれは、先ほどの+100と-90pipsを示すシステムAとBの例で言えば
Buy +1.0 と Sell -0.9 の2つに分かれてるようなものなので
相殺して、勝つ方のBuy +0.1を持つというのは、先ほどの『勝つと同時に負けること』をやっているのと同じなので
システム全体が、あらかじめそれを踏まえて仕組まれているなら、相殺は大変有効です。

■ だからと言ってレバレッジをあげれば良いという訳でもない

Buy 1.0 と Sell 0.9 を相殺して、Buy 0.1を持つのが有効だとして
『それだけ有効なら、その方向にレバレッジを掛けて大きくポジションを取るのはどうだろう。いつも+0.1じゃポジションが10分の1ばかりだ』
というのはある意味その通りではありますが、プラスとマイナスの抜き幅がある程度想定できないケースでは難しくなります。

わかりやすく、今度は『勝つ時+100pipsで負ける時-50pipsで勝率5割が基本だけど
たまに勝ち負けが6倍大きな値幅になる』というシステムで考えて見ます。
PF 2 なのでなかなか優秀ですね。
で、その成績が以下のような場合

12/1 +100
12/2 -50
12/3 +100
12/4 -50
12/5 +600
12/6 -300

…もしこういったシステムが紹介されていたとして
『いつもは+50pipsずつくらいしか増えないけど、たまに大きく+300pips分をガッツリ稼いで大きく増やすシステムだ!』
とかいう紹介の仕方をしてる人が居たら、その人はシストレ初心者か又は意図的に都合の良い事しか言ってないので気をつけましょう。
また、そんな煽りに乗せられてはダメなので気をつけましょう。
『そっか、確かに+50pipsずつだけど、時たま+300pips分大きく稼ぐのは良いね!』とか思ってしまったらダメです。

ある程度のシステムトレーダーであれば、この並びを見てすぐ
むしろ+300分になる6倍稼げるボーナスステージみたいな所が
ただの邪魔で目障りである事に気づくはずです。

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という事で、資産100万のレバ20倍で考えてみます。

まず、12/4までの+100と-50で済んでるうちは問題ありません。

 100 → 120 → 108 → 129.6 → 112.96

こんな感じで増えていきます。問題はその次

 112.96 → 248.51 → 99.4

…こんな感じで、6倍稼ぐボーナスステージのせいでそれまでの利益をふっ飛ばしマイナス突入です。

問題は当然レバが高すぎたことで、もし+600と-300がどうしてもセットなのであれば
そっちを基準にレバレッジを設定しなければいけないという事です。
しかし、もちろんそれならプラスになるとはいえ、その他の+50pipsの意味が相対的に6分の1になるようなものなので
むしろ、もし可能なら6倍のボーナスステージは丸ごと除去して+50を確実に狙った方がよっぽど資産は増やせます。
(※安全かどうかは置いておきます。ここでは分かりやすさ優先で端的な例にしています)

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上のは極端な例ですが、先ほどのBuy 1.0とSell 0.9を相殺してBuy 0.1になった件においても近いものは言えて、
相殺の相関性は理想どおり常に逆とは限りませんから、仮にBuy 0.9の時もう一方もBuy 0.9と被ったとき
ハイレバでやってると、それまでせっかく着々と増えていた利益を全部吹き飛ばしてマイナスに突入してしまいます。
それを避けたいのであれば、Buy 0.1が有効ならBuy 0.1で運用するのが、相殺を利用する上での前提になってきます。

ただ、逆に言えばある意味FrameTradeは上記の+600が来るステージを待ってるようなものです。
結局のところ、現実で+100と-50を確実に捉えられる保証なんてどこにも無い訳ですが
もし仮に、+600のような大きなステージを確度高く捉える方法を編み出していたとしたら…。
…FrameTradeのレバが大抵の場合低いのは、その辺りが関係しています。

とはいえ、これが理由の全てではなく
内部の理屈はもっと遥かに広大で途方も無く深い(じゃないと、こんなに計算時間かかりません…)なので
この説明では納得できない部分もあるかと思います。それも無理はないのですが
まぁ大体の事情というのは、上記のような構造なのだと思っていただければ、差し支えないです。

■ ついでに、ポートフォリオの拡大ロードマップと無料版について

有料版は、ひとまず3つの通貨ペアで合計9種類が目標だと書きましたが
大体この9種類に対して無料版は1種類、という形にしていこうと思っています。
精度も違うので、大体無料版は有料版の10分の1~20分の1くらいのポテンシャルになります。
で、もしその後、有料版が6ペア合計18種類くらいになったら
無料版にも通貨ペア1つ追加して2ペア2種類くらいにしようかなと思ってます。

ただ、現在無料版はすでに資産+6~7%増えているので
この調子だと、通貨ペア追加前に目標の2倍を達成して無料プロジェクトは終了しているかも知れません。
…まぁ、それはそれで大いに良い事です。

なんだかこの1ヶ月、まだまだFrameTradeのポテンシャルからしたら
計算サーバーたったの1台を、毎日ほんのわずか使って計算しているようなもので
そう大したトレードができている訳じゃないのですが
無料版は、このまま同じようなトレードをあと13回くらいやるだけでも資産2倍は達成できますし
まぁ粛々と進めていけば、無料プロジェクトの目標達成も夢ではないかな、と思います。

そしてそれはそのまま、有料版についても当てはまってきます。
無料版が順調に推移している件については、有料版の方も素直に喜んでいただいて大丈夫です。

現状、無料版AutoTraderで放ったらかしにしてる作者のデモ口座は下記な感じですが
FrameTradeが今後サーバー追加により真価を発揮していけば、
有料版の方でこそ最終的にこういう展開を多く得られる事になるかと思います。

○ 累計+35万と何とも順調に増えていますが、この感触はむしろ今後有料版で期待できます 2009-12-21.gif

ただし、投資に絶対はないです! というのは毎度の事ながら言っておきたいと思います。

作者はこの1ヶ月の手応えとして、大いにプロジェクト達成への現実味をひしひしと感じている所ではありますが
それでもやはり、未来は誰にも保証できないというのは言えます。

■ そういえば書き忘れていた、無料版プロジェクトの税金の扱いについて

有料版は、税金をすべて考慮してプロジェクトを進めていきますが、無料版では考慮しません。
口座残高が、文字通り2倍になったらそこで目標達成です。

…まぁ、有料版のような、5000万→1億円なったと思ったら
税金で2500万円持っていかれるという規模じゃないですし
100万が200万になるくらいでは、統合課税では大して税金引かれないのでOKという事にしてください。。

■ ついでに、当面のプロジェクト運用方針とTypeBP精度Upのお知らせ

これまで、プロジェクトの達成は5~6年を想定して臨む、と言って参りましたが
実を言うと、皆さんにはそのように伝えておきつつ
作者としては4~5年か、もし可能であれば3~4年で達成するくらいのつもりで臨んでいました。

まぁ、そのくらいで実質5~6年にはちょうど良いと思っていたんですが
そのせいで、プロジェクトの最初のリスクが高くなってしまったかなと少し思っています。

プロジェクトを最短で達成できれば望ましいですが
しかしそのせいで原資を割るというのは精神的に負担であるので
資産+10%くらいまでの道のりは、もう少しゆっくりでもいいからなるべく安定したパフォーマンスにしたいと思います。

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という事で、今まではプロジェクトの無駄を極力省いて洗練するため、
手持ちの計算サーバーには、今後の検証を優先させていたんですが
これを少し中断して、現状の精度Upにもっと割り振ります。

検証ができなくなるのは作者としては痛いのですが、
プロジェクトが原資を割って推移する方がよっぽど作者の胃に痛い上に
皆さんの胃も痛くなると思うので、ひとまず手持ちのPCで一番速いやつを1台丸ごとTypeBP専用に回しました。

これは3日前くらいからやっているので、現在すでに精度を上げて計算中です。
これまでFrameSizeっていうのを38くらいで運用していたんですが、これを64にしました。

や、いきなりFrameSizeとか言われても困ると思いますが、FrameTradeの"枠"は大きさ可変で
枠が大きくなるほど、未知の相場への適応度・柔軟性が向上します。
一応、検証ではすでにSize 100くらいでもやってはいまして、今回は64とはいえその検証成果も多少含めてるので
Size 75 くらいの効果はあるかなと思います。
パフォーマンスの向上具合は、体感で+30~40%くらいかなぁ…と思います。

計算時間は4倍かかってしまい、検証が進められない状況ではありますが
そこは有料会員の方から頂いた軍資金で強力なサーバーをすでに発注済ですので、
検証はそちらが到着次第したいと思います。
で、精度低くてもいいから、来月には2通貨ペアで合計4ポートフォリオくらい行きたいですね。

■ あと、VPSの件ですが

一応、サービス提供を前提に準備を進めています。
手持ちの空いてるサーバーでは目当てのOSが動かないという事実に直面し
報告が遅れておりますが、あと7日~10日くらいで続報を出せるかなと思います。

VPS、必要ない方もいらっしゃるかと思いますが
毎日メンテナンスフリーで自動売買できるというのは、とっても気持ちが良いものでして
ぜひ味わって欲しいと思っています。

年末実家に帰省する時や、旅行や出張などがある時でも
全世界どこからでも自分のAutoTraderにアクセスできる安心感は、なかなか良いと思います。

■ AutoTraderの販売終了時期について

まだ、60名には達していないので販売は継続しておりますが
このままずるずると延びてしまうというのは、最初に力強くご支援頂いた方が割りを食う事になり
それは全く避けたい事なので、ある程度の段階で終了いたします。

ただ、作者のけじめとして出来れば

 1.VPSやるのかやらないとか、はっきりさせる
 2.AutoTraderに、新機能2つを搭載する
 3.Forexite問題の対応をきちっとこなす

この3つは、有料版に乗るかどうかの判断に関わってくると思うので
これをこなした日から2週間後に終了!としたかったんですが
ちょっと3つ目はまだしばらく時間かかりそうなので
上2つが達成できた日から1~2週間後の終了を目安にしたいと思います。

特に、2つ目の新機能は資産100万以下の人にとっては大きな魅力があるため
本プロジェクトに強く興味を持ったものの300万という金額がネックだった方には
ぜひこの機能を見て頂いて、検討して頂きたいなと思います。

その上で1~2週間の時間を取り、AutoTraderの販売は終了したいと思います。

ちなみに、再販について以前は少し検討しておりましたが
人数的な面のサポートなどの問題や、プロジェクト運用上の都合もあり
基本的になしで、販売は今回限りというように考えています。

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そんなこんなの現状で、
無料版の人にとっては嬉しい展開、有料版の方はちょっと憂鬱な展開かと思いますが
この1ヶ月、FrameTradeの有効性という観点からすると
作者の手応えとしては、全く問題のない感触を得ていますので
有料版の方は、まだまだ長いプロジェクトの第一投ですので一つ気長に、
無料版の方は、意外と早くプロジェクト終了するかも知れないので
(といっても、まだ利益確定もしてないので気は早いですが)
有料版が気になってきた方はぜひまた販売終了までご検討頂けましたら幸いです。

今後も新バージョンやForexite問題など一つずつ対応していきたいと思います


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posted at 2009年12月21日 07:36