2010年07月31日

いろいろとご報告です。更新が遅れに遅れ申し訳ございません。。

再び間が空いてしまい本当に申し訳ありません。。
今回の文章も、6月頭のドローダウンの開始時期辺りから書き始めてはいたものの
諸々の作業で手が回らず、7月に至っては初めてのまともな上半期という事で
不慣れな税務と法務の締切りに追われ続け、何ともブログまで手が回らず。。

あと、途中もう割り切ってお伝えする事柄を列挙しようかとも思ったんですが
現在のような運用成績の状況で中途半端な説明をするというのは、火に油みたいなもので
それによって説明不足な点への疑問が増えてしまうと、本格的にパンクしてしまいそうだったので
とにかくトラブルの対処と、運用成績向上に向けた作業を最優先で回しつつ
隙間隙間にブログ記事を書きつつ…も、朝から晩までなかなか隙間がなく。。

もちろん、頑張ってはいたのですが、それより、なんというかもう
本質的な意味で『人員が足りない!!』という
もうそういう根本的なところからの問題で御迷惑をお掛けしてしまっていて、本当に申し訳ない次第です。

ただ、人を雇うような余裕は…やはりそれだけのお金があったらサーバー増やしたい訳で
うーん、うーん、と・・・懺悔や反省や思案を繰り返しておりますが、
何とか!今日こそは!上手くまとめてブログ更新するぞ!と思います。

この3ヶ月は多分、このプロジェクトが無かったとしても人生でもっとも忙しい3ヶ月間だったと思うので
今後は体調さえしっかりしていれば、もう少し小分けにブログでもお伝えしていけるかなと、そう思います。。

ともあれ、お待たせしてしまった分、しっかりと書いてまいりたいと思います。

■ まず現状のドローダウンについて

4月ドローダウンに引き続き、6-7月のドローダウンも精神的に辛い状況が続いております。
特に、このプロジェクトくらい長期のトレードだと勝つときに何週間も勝ち続け、何とも資産推移を見るのが心地よくなっていく反面
その後に長く長く負け続ける事になると、心底耐えがたいものがあります。
これほど「真綿で首を絞めるような」という慣用句に見合う状況は滅多にない気がします。

ただ、最近まで気づいてなかったんですが、公式ホームページの資産推移グラフが
ちょっと誤解を招きやすい事になっていると思いまして、
これはブログでご説明しようと思いつつ、説明にはプログラムの修正が必要だったので、なかなか手が回らず
しかし先ほど修正が完了したので、ご説明したいと思います。

■ 確定損益グラフを追加しました

公式ホームページから見れる口座資金のグラフは
これまで評価資産のグラフのみでした。

・・・これは、確定損益のグラフだと、ポジションに変更がない限り含み益も含み損も反映されないので
ずっとグラフが変わらず、その時おかれている状況というのが分かりにくかったからです。

ただ、同時に、普通のデイトレ的な見方で言えば、あんまり評価資産というのをこういった資産グラフにはしないとも思われます。

具体的に、たとえば
『トレンドに乗ったらトレイリングストップを200pips戻しの地点に置く』という戦略でトレードしていたとします。
・・・つまり、利益が伸びる限り伸ばしていって、200pips戻ってしまったらそこで終了、利益確定というスタンスです。

で、この戦略で実際にポジションを持ち、順調に進んで+300pipsまで含み益が伸びつつ、
しかしそこから戻していって+100pipsで利益確定したとします。

こういった時、恐らく普通は「300pips稼いだあと負けて、現在200pipsのドローダウンの最中」という見方はせず
単に、『今回は+100pipsの利益でした』で処理して、資産推移もそのようなグラフになると思うんですが
AutoTraderホームページの形式だと、含み損益をすべて反映しているので
上の例えのトレイリングストップで+100pipsを得たトレードも、グラフだけ見ると200pipsの負けトレードによるドローダウン中に見えるというか、
逆に言うと、『実際に利益を確定したのがどこなのかが全くわからない!』という
本質的な問題があることに先日気づきまして。

作者は、開発者なのでこのホームページとは別のグラフも見ていまして、
そちらで情報を補えている分、あまりその点が気にならず、気づくのが遅れました。。
また、評価資産の推移グラフを長期トレードでという事例そのものが
あまり他所で見ないので気づきづらかったというのもあります。・・・が
とにかくこれでは、どこで利益を確定してる(ポジションを反転してる)んだか全くわからない!
という事で、確定損益のグラフをつけました!

こちらの上の段の確定損益ベースのグラフをご覧頂くと分かると思うのですが
最も資産が増えたところが大体360万でして、
評価資産の380万とは大分印象が異なると思います。

今回、4月末からのかなりの大相場(EURJPYにいたっては3日で1500pipsくらい落ちてた気がします)を経て
その後も1ヶ月間はじわじわ攻めたり大きく攻めたりといった、とにかく一方的な相場が続いていた訳ですが
このくらいの期間の大相場となると、トレンドの最後の反転前というのは
折り返す前に急激に膨らむ傾向もあって、最後の方は含み益・含み損の伸び方がいびつになってしまいやすい、
というのは一般的によくある事ではあります。

今回のAutoTraderの推移に関して言えば、そういった傾向そのものという訳でもなく
実際は少し事前に反転を見越した積極的な狙いを試したりもしていますが
ただ、やはり大相場の最後の大転換ポイントで、どうしても振れ幅が大きくなっているので
長期主体のトレードとして、どうしても大きく影響が出ておりました。・・・が、
しかし、その反転のポイント(利益をどこで確定したか)や、どの程度振り回されたかがこれまでのホームページのグラフからは全く分からず…。

そのような訳で、何ともこの事実に気づくのが遅れて申し訳ないのですが
現在のプロジェクトの状況は、大体Max360万円で今はドローダウンで340万くらい、と
見て頂ければと思います。

なかなか大相場の最後の最後まで利益をがっしり取るのは難しい(というかそもそも危険)なので
利益が伸びていった最後の方の分の利益がなくなると、"逃した魚は大きかった"な気分になりますし
実際、大きな魚を逃しましたが
今後に向けてその辺りはまた前向きに、長期的に捉えていって頂ければと思います。

あと、今まで「MaxDD」は掲載してたんですが
これだと、当たり前なんですが過去最大のDDしか分からないので
「今直面しているDDがどのくらいなのか」が分かり辛いです。
今も、4月ドローダウンの方が大きいせいで6月ドローダウンの具体的な数字が見えてきません。

という事で、新たに「LatestDD」という項目を追加しました。
これが、直近のドローダウンを示します。
あと「LatestDD(%)」というのは、その直近ドローダウンをパーセントで表したものです。

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それでなんですが、皆さんホントこれまで評価損益のグラフにおそらく心を持ち上げられ、そして沈められてしまっていて、
充分に今厳しい状況にあるとお思いのところ申し訳ないんですが
まだ、ドローダウン6%くらいなんですね。。

なので、この先どうなっていくかについては、またもう少し辛い状況についてもお考え頂きたいとは思うのですが
ただ、何でもかんでも悲観的という訳ではなく、
この位置はまだまだ上も目指しやすい位置ではあるというか
平常運転の範囲なので、また順々に360万まで回復していければと思います。

人間としては、現状は非常にもどかしさを感じるところと思いますが
結局、こういったもどかしい展開のときに
ついそのもどかしさがトレードに荒さとして表れて悪循環を招いたり、
だんだん短絡的な大逆転狙いの投げやりな考えにシフトして行きがちで、それが致命傷になったりもしますが
その辺りは、機械のマイペースさを生かして
今後また自分の得意な相場できっちり取ってくれればいいかなと思いますし
それによって、また良い景色が見えてくるかなと思います。

そこまで行けばとにかく、良い循環を焦らずキープ出来ていれば
その先に段々とプロジェクトの成功が見えてくると思うので
そこは運営者である作者も、焦らず、
しかし次の好機のための準備はぬかりなく、進めて参りたいと思います。

■ 確定損益と評価損益のギャップについてもう少し

先ほどの、確定損益ベースのグラフと評価損益ベースのグラフのギャップですが
毎回毎回このような強烈なギャップが生じるという話ではないです。

これは4月危機の直前や直後を見比べると分かるのですが
4月の最高益も、4月ドローダウンの最降下地点も
確定損益・評価損益はさほどギャップもなく、どちらもほぼ同じ数値になっているかと思います。

6月上旬が大きなギャップとなっているのは、
ひとえに、今回の5月があまりに大きな相場になったので
その大きさに合わせてトレードの大きさも変更した結果
しっぽの振り回され具合も大きくなったという、そういう事になります。
このギャップの大きさが5月の流れの急激さと凄まじさを物語っている、、とも言えます。

今後も、普段はそうそう確定損益と評価損益に大きな差が生じることは無いかと思いますが
また大きな相場を経験する時には、そちらを参考にして頂ければと思います。

■ 4月危機と、その要因達と、バックテストの掲載とりやめ

話は遡って4月危機についてお話ししたいと思います。

4月危機の要因については

 ・フレーム拡張弊害が5割
 ・サーバー不足が3割
 ・バックテスト公開,レバレッジ設定公開による、設定変更への心理的な抵抗が2割

と分析しています。

フレーム拡張弊害は、以前お知らせした通り大元の問題で
この現象には大いに悩まされました。
結局、テレビの大型化みたいなもので、
枠を大きくしすぎると、それぞれの映像素子の特性が下がって性能が落ちるという
大型テレビを作る時の問題と同じようなことが起こっておりました。

ちなみに、解決法もテレビの発想から拝借して
平成初期の頃よく見かけた、小型のテレビを縦横にずらっと並べて
一つの大きな画面かのように映像を映し出す、
あのちょっとオシャレちっく(・・・?)な広告手法、
あの擬似・大型テレビとそっくり同じ方法によって、問題を回避しています。

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2番目のサーバー不足ですが
これが何故、4月危機に直接的に3割も関わっているかというと
実は、4月26日に投入したフレーム拡張弊害の修正版は
その計算に2週間近く掛かっています。

実際、4月10日ほどには今回の解決策に辿りついて
その解決案に基づく設定で計算を動かし始めていたので
もしサーバー能力が現状の15倍ほどであったならば
4月12日には、修正版を投入できて
ドローダウンも時期的には約半減、現実的に見積もるとおよそ3割程度、
小さく抑えられていた可能性が高いです。

それであれば、4月末のEURJPYの単独先行の大量SELLの含み損に動じることはなく
その後のEURJPYの1000pips越えの利幅ももっと大きいポジションでしっかり取れていた可能性があります・・・が
もちろんそこは結果論なので、あまり気にしてもしょうがないところです。

ただ、計算が完了するまでに2週間かかっているのは、大きな問題で
その間はとてももどかしく
きちんと何かをご説明したい反面、今動かしているこの計算の方針があっているかは
"計算結果を見てからでないと分からない"ので、
早まって誤りのある方針を強く打ち出してしまい、その後の修正が効かなくなっては元も子もないので
とにかく計算早く終われ、早く終われ、という状況でした。

そういった点で、今回だけではなく将来も見越した時に思ったのは
やはりサーバーの能力というのが、本プロジェクトにおいて何をするにしても大元である、という事です。
これまでは、平時の運転能力とその質という意味でサーバー能力を求めておりましたが
むしろ、何かしら危機が訪れた時にこそ、サーバー能力の高さが必要で
サーバーが不足していては、「次の方針の適切さ」も、「その方針を打ち出すまでにかかる時間」も
どちらも足を引っ張られてしまうと痛感しました。

逆に言えば、サーバー能力の高さというのは戦略の自由さ、素早さ、幅広さに繋がるので
そういった意味では、プロジェクト全体のペース配分を考えた時
ある程度無理ができ、ある程度勝負をしても修正が効きやすいのは
サーバーが充分に増設されたプロジェクト中盤~終盤であるな、と思い至りました。
その時期であれば、もう現状のサーバー自転車操業からすれば至れり尽くせりなので
何か、想像もしないような方向から想像もしないような危機が訪れた際にも、手を尽くす事が可能です。
現状は、頭にあっても動かすサーバーが無かったり、動かしても結果が出るまで遅かったりなので
今後将来的にサーバー能力の増強を見込める時期があるなら、今はそう焦って無茶をする時期ではなく
できる範囲の、取れる部分をしっかり取っていく時期かなと思い
現在、4月末からレバレッジは抑えたまま運用しております。
(サーバー能力は近い将来改善する見込みがはっきりあるというのも背景にあります。詳しくは後述)

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ただ、仮にサーバー能力が充分で、計算開始からすぐ修正版が手元に揃ったとしても
4月12日に実際にプロジェクトに投入したかどうかは分かりません。そこはまた別の話になって参ります。
というのも、その段階では

 「自分の予想通りの結果が出て、それに見合った修正版もできた」
 「しかし、"誰もが納得する"ような客観的なデータが揃うには至っていない」
 「大きな変更を伴うものだから、充分に納得頂けるのが望ましい」
 「その為には、まず数日投入はせず並行で動かして、"実際に動かしたらどうなるか"をデータにとり、
 その比較で"修正版はこのように改善が見られます"という、一目で分かるはっきりした客観的データを揃えて説明できるのがいい」

余裕があるなら、おそらくこう考えた可能性があります。
大きな変化を伴う決定であれば、余計にそうです。

やはり、"修正版"と銘打っているとはいえ
突然素性のよく分からないものに変更になるのは、戸惑いも不安も覚えるかと思います。
人間はやはり、得体の知れない変化というのは怖いので
変化の前に、"変化後の見込み"という何かしらの正体が欲しい訳です。
それは作者にとっても同じなので
その為の「同時に動かしたAとBの結果から見て、Bの方が改善が見られます」
という客観的データは、作者としても用意したいものです。

今回実際に計算が終わった4月26日の場合は、もう状況が差し迫っていて
客観的なデータどうこうを言っている場合ではなかったことと、
これほど状況が悪化すると、逆に人間改善のための変化を求めるので
素性の知れないシステムへの入れ換えを断行しても、許容されやすい状況にあったため
今回はそれほど心理的な抵抗もなく、客観データなしのまま強行手段に打って出ることができる状況でした。
といっても、それでもとても踏ん切りの要る決断ではあります。
やはり、データが取れるなら取ってから臨みたい、そういう保険は欲しいものです。

あと、心理的な抵抗という意味では
「バックテスト結果を公開し、皆さんの許諾のもと運営している」というのも
状況によっては重い意味を持ち始めます。

システムトレードにおいてバックテストを公開することは
「こういうシステムを動かします」とお知らせしたものを了解してもらうような
そういったある種の契約や約束のような側面を持つと思っています。

もし公開されたバックテストがシステムAのものなのに、実際に稼動していたのは見たこともないシステムBだった・・・!
なんてなったら、話が違う訳で、それはもう殆ど詐欺になると思います。
そういった意味で、一度バックテストを公開したシステムは、そう安易に変更ができない(しづらい)というのがあります。

今回、4月危機に実際に直面して直感したんですけども
ここが、この心理的な面でしかない一要素が
しかしながらプロジェクトの成否を分ける最終的な最後の分かれ目になってくるなと、そう感じました。

結局、何らかの弊害や状況悪化に遭遇したとして
その分析を素早く行え、方針も適切に決定でき、修正版がただちに仕上がったとしても
"投入を躊躇ってしまう"ことがあっては、すべて意味がなくなってしまう訳です。

今回と同じ類のまだ想像のつく障害・状況悪化ならば、まだ決断も容易ですが
次にやってくるものが、その範囲である保証もない訳で
これから先、想像もしないような方向から、想像もしないような危機がやってくる可能性もあります。
そういった時、皆さまが『システムAがこういったバックテストのシステムだからこそ私は使っているのだ』という
そういう背景がしっかりと構成されていると、それを覆す大きな決断にはどうしても心理的な抵抗が重く圧し掛かってきます。
もしシステムAの投入時に「これは素晴らしいものです」と喧伝していたなら、なおのことです。
そういった僅かな差が、急を要する時に、これからの最後の最後で効いてくるような、そんな気がいたします。

そういった意味で、プロジェクト成功の可能性が1%でも良い方向に傾くなら、
皆さまにはご不便お掛けする事になりますが、
結局のところ、皆さまもプロジェクトの成功をこそ第一に望んでいると思うので
そこを徹底的に優先していこうと、そういう事です。

■ もう少し言い換えると・・・

これはつまり損切りのようなものなんですね。
「システムAのままだと危なそうなデータが出てきたけれど、でも本当にそうなるとも限らないし、このままでも何とか回復するかも知れないから、それで済めば・・・」
と、ずるずるとシステムBへの切り替えを躊躇うのは
損切りできずにポジションを塩漬けしてく心理そのものです。
また、きちんとシステムAに見切りをつけ、悪い状況を確定してシステムBに未来を託していくというのも
損切りと同じ狙いを込めている訳でもあります。

また、バックテストを掲載している状況が踏ん切る気持ちを踏み止まらせる一因としてあるのは
たとえば、システムBにいざ変えますという時、掲載済みだったシステムAのバックテストを根拠に反対されると、ものすごく困る訳です。

そして、そういった反対をも押し切れる、誰が見ても納得できるようなデータを先に用意しようと思うと
それはもう本格的なロスになってしまう上に、そのやり取りが予想されるというだけで、心理的な重しになってまいります。
急を要する場面では、そういったロスが致命傷になる可能性も高いです。

■ さらにもう少し言うと・・・

何が悔しいかというと、実はもう3月の時点から、気になっていたんです。
ポートフォリオの投入をEURJPY, GBPUSD辺りまでは大体スケジュール通りに投入したのに
新EURUSDとUSDJPYの投入を何度も延期していたのは、そのためです。

その時点で、データ上は想定通りの問題のないポートフォリオに仕上がっていたんですが
『何とも言えないけれど、どうにも嫌な感じがする』という、
作者のシステムトレーダー的な第六感から、投入を何度か見送って再計算や再検証をしておりました。

ただ、結局こういったフィーリングというのは、本当にただのフィーリングなので
説明できる、納得のいく根拠を求められると
感覚的な領域なので、お答えできないのですね。これは悪気がある訳ではなく。。

しかしプロジェクトの成否という意味では、
私ももう本当にシステムトレーダー歴は長いので
そういった第六感もなるべく生かす環境を整えるのが、プロジェクト成功率アップのために重要だと思い
そのためにも、ある種の「わがまま」が通用する余地を確保したい、というそういう事でもあります。

申し訳ないお願いではあるのですが、
どうにも自分は公開する内容が増えるとパフォーマンスが落ちるタイプのようなので
プロジェクト成功のためにも、ご容赦頂ければ幸いです。

■ もう一つだけ付け加えると・・・

FrameTradeは、精度と計算能力の拡大で、パフォーマンスの拡大が見込めるのが最大の利点と強調して参りましたが
現状サーバーの能力はまだまだ足りていないので
普段、作者は運用業務として
「サーバーの各計算のスケジューリングを細かく調整する」という事を行っています。
具体的には、「作業が終わったPCを、別の忙しいPCの手伝いに回す」のと「その時、必要度の高い順に計算の優先度を組みなおす」ことの両立です。

これは一言で言えば、「11人の敵チーム相手に、8人でサッカーの試合をする」ような作業で
このおかげで、台数以上のパフォーマンスを保てている訳なんですが
これにより、実運用時の計算精度は日ごとに細かく変動して状況が一定でないので
そういった意味でも、何だかバックテストを掲載すると色々誤解を招きやすいというのもあります。

■ 5月の好調と、リアルタイムトレード化の遅れと、大規模シミュレーションとサーバー不足

上で書いたサーバーの細かいスケジューリング作業ですが
4月末にリアルタイムトレード化を進めるアナウンスをしたあと
そちらのプログラム改修などは急ピッチで進めていて
プログラム自体は5月頭にはほぼ完成したのですが
ちょうどその頃、皆さまご経験の通り、急激に運用成績改善の兆しが見え初めて
『これは待ちに待ったビッグウェーブかもしれない・・・! ここで大きく乗らねば・・・!』 と
それからしばらくは、上記の各サーバーのスケジューリング業務の割合を大きく増やして
リアルタイムのパフォーマンス向上を図っておりました。

おかげで、損を取り返すどころか2月~3月を超える資産まで伸びてくれたので良かったのですが
リアルタイム化のご提供が一段と遅れてしまい、申し訳ない限りで。。

ただ、運用成績の改善という意味では、大規模シミュレーションの方が大きな意味を持ちますので
両者進めておりますが、順番としては大規模シミュレーションを先に完成させております。

ただ、完成させてひとまず動かして、しばらく経って
『全くサーバーの能力が足りない』という、いつもの現実が立ちはだかり
しかし、リアルタイムトレード化を先にするのは
(ここがちょっと技術的な話になるんですが)処理の関係上ロスが多く
大規模シミュレーション→リアルタイムトレード化の順でないとかなり遠回りになってしまうのと
「いつも立ちはだかるサーバー問題をもう何とかするんだ!」と考えた時に、
サーバー拠点の移転も考えなくてはいけなかったので、
そうすると、VPS構築後にすぐネットワーク関係の設定を再度構築しなくては・・・となるので
そういった面でも、「サーバー能力の問題解決を図るなら、今このタイミングだ!」と、そちらが喫緊の課題となった訳です。

■ サーバーの話と、専用サーバールーム

ちょっと遡って、サーバーの拡張の話を、一般の人にもわかりやすくまとめたいと思います。

まず、プロジェクトを開始した12月~1月、大幅にサーバーを拡張しました!
それまで、クアッドコアという4つCPUがあるようなパソコン(超簡単な説明)が
2台あるだけの作者のサーバーは、性能を数値で言うと"合計50ギガFlops"でしたが
新たに導入したものは、1台で50ギガFlops!
それを6台導入したので、プロジェクトのサーバー能力は350ギガになりました。
(余談ですが、うちのソフトはHTを見越して作ってるので、性能的には700G Flops相当が出せました!)

そして2月になります。再度サーバーを拡張したい所でしたが、ここでちょっと次を待ちます。
というのもその2ヵ月後の4月に、intelが初の6コアCPUを、また別のNvidiaという会社が新しいGPUの発表を控えていたからです。
せっかくの大事な大事な予算で導入したサーバーがすぐ陳腐化してしまうのは勿体なさ過ぎます。ここは"待ち"です。

ただ4月に入ったら入ったで、intelのCPUが人気過ぎて予約待ちのまま全然手に入らず
そのまま例の4月危機と作者の健康上の問題が重なり、しばらくサーバー拡張には手が出せませんでした。

それと、その前から少し相談していた東京電力の方から
今住んでいるマンションは、築年数が古いこともあり
ブレーカーの容量を40A以上にするのは無理である、との回答を貰いまた苦悩が重なります。

一応、2月に、同じマンションに住んでいる知人に頼み込んで、
主力の新サーバー6台のうち2台を置かせてもらっていましたが、
自分の部屋も、もうパソコン関係だけで20Aほどに達していたため
残りが20Aじゃ、エアコンやら電子レンジやらでブレーカー落ちるかも知れずもう限界でした。

で、Amazonのやっているクラウドレンタルという
超簡単に言えば、たくさんのPCをネットワーク越しに貸してくれるサービスやら
リース契約、他の知人への頼み込み、実家への頼み込み、
ものすごい僻地の安い土地を買って遠隔操作する案、新たな賃貸物件の物色、
いろいろと検討しましたが、予算面だったり、性能面だったりがパッとせず
どれもこれといったものがないまま、とにかく暇があれば頑張って調べて調べてという感じでした。

そんなある日に、ちょっと昼食を調達しに外に出た時、
なんとなくフラッと立ち寄った不動産屋で、なんとなく「こういう事したいんですよー」という話をし始めたら
なんとも都合の良い物件が、なんともご近所にある事が判明しまして!!!

そのあと、もう急いでいろいろと調べて確認取って、許可も取ってを繰り返しまして、
そう! なんと!! ついに念願の専用サーバールームを手に入れました!!! ・・・手に入れました!! ・・・手に入れました!

や、手に入れたというか、これから作る訳なんですけども
普通、賃貸物件では非常に嫌がられる
「電力面をとにかく自由にさせてくれ、とんでもなく大量に使うから」という要求を
呑んでくれるオーナーさんが、結構なスペースを、かなりお安い賃料で
作者の自宅から徒歩10分(自転車4分)という立地に物件持っておられまして、
最終契約はおそらく明日なんですが、
そちらを何とか、問い合わせのあった他の人より早く申し込みして確保出来ました。

150A x 2契約 = 300Aにするまでは既に許可もらったので、当面は充分です。100台近く置けます。
おそらく300A以上もOKです。

早速、先日物体の表面温度を測定する機械で、建物内部の温度も細かく測定してきまして
冷却周りも良い感じのプランが固まってきています。

この新しい本プロジェクトの新拠点、期待のメインサーバールームは8月1日入居予定で現在進めております!

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とはいえ、すぐ稼動という訳にも参りませんので、
とにかく、まず、ネット回線を引いて、電力工事をして
また新しくプロジェクトにとって無駄のないサーバー仕様を考えて、
冷却やらセキュリティやらを詰めつつ、というのを考えると、やはりすぐとは参りません。

あと、サーバーもやはり全部自作しようと思うので、
その組み立ても、、慎重に組み立て+ソフトのインストールで4時間くらいかかるので
丸一日休み無しでやって1日3台が限界(あちこち関節が痛くなる)で
他の仕事も込みだと、どう頑張っても週に10台作れればいい方なので
・・・これ以上はまたやり始めてからご報告したいと思います。

組み立てだけでもショップに依頼する事も考えはしますが
彼らは、結構仕事が雑なのでちょっと・・・。
雑じゃないところに頼むと高くつくし・・・。。

ただ、用意出来た分はその日のうちにすぐ使っていきますし
移転するかが不明だったために進めにくかったVPSサーバーももう憂いはないので
すべての面で作業効率Upなので、
これからとにかくこのAutoTrader専用サーバールームを、
しっかり、しかしリーズナブルに構築していきたいと思います。

■ もうちょっとサーバーの話

今考えているのは、100ギガFlops のを20台。
これで、サーバー能力は現在の350G → 2350G に! 約7倍になります。

そこからまた毎月買い足していって、目指すは3000G (=3T Flops)です。
3Tっていうとかなりです。

おととし京都大学が導入したスパコンが60Tなんですが、
これの落札価格は38億9600万円だそうで、だいたい40億です。1T当たり6500万です。

そんな訳で、時代の進化もありますが
本プロジェクトがとにかく格安で性能を出そうとしているのが功を奏して
ちょっと前まで2億円掛かりかねないような性能が、もうすぐ見えてきます。

もちろん専門的な面をフォローしておくと、こういったスパコンの性能というものは
単純に数字だけ比較できるほど簡単な世界ではなく
計算内容と、スパコンの持つ「方向性」が合っていないと、なかなか性能は発揮できないんですが
うちのソフトは、もう何年も前から、昨今のスパコンの潮流に沿って計画してきたので
安価に、高価なものと同じ性能が出せます。

今まで、何かにつけて「サーバー能力が足りない」という現実ばかりに直面し
なんというか「サーバー不足」が全ての不調の免罪符になっていた感もありますが
これでもう、言い訳もできません。思いっきりやれるのは気持ちが良いです。

ただ、それでもFrameTradeはお化けソフトなので、計算能力足りないかも知れませんが・・・!!

■ 360万と、+20%と、プロジェクトの先

・・・話を一気に確定損益ベースで、360万まで達成した話に戻します。
現状ドローダウン中で340万まで落ちてはいますが、
360万というのは、プロジェクト初期から見て2割増加ということで
いろいろと区切りが良いので、これを区切りに、大体考えている目安をお話ししたいと思います。

先ほど書きました通り、『サーバーの能力が何事においても物を言ってくる』ことを踏まえて
あと、作者としても少しプロジェクト立ち上げ初期にいろいろ無理な狙いをしすぎたことを反省し
尻上がり型で、それぞれの時で身の丈にあったペースを考えて、今はこのくらいのペースを考えています。


300
360 ← 今ココ
430 ← 2010年末

520
620
750
900 ← 2011年末

1080
1290
1550
1860 ← 2012年末

2230
2680
3210
3850
4620 ← 2013年末

5550
6660
7990
9590
11500 ← 2014年末


最後の2年、+20%を年5回は少し厳しいかとも思いますが、
上の配分は5年達成ペースなので、足りない分は6年目で補ってという感じで考えてます。
もちろん、途中で何か大きく稼いで3年~4年くらいで達成できれば良いのですが
そういったチャンスをものにする事も含め、やはりとにかくサーバー次第だなというのが、
ここまでの運営経験上の感想です。

ともあれ、現在360万達成、ドローダウンで340万という状況ですが
今年としては、残り5ヶ月であと+20%達成できれば、現状のペースとしては十分なので
サーバーの少ない現状ではそう無理せず、余裕を持って展開したいと思います。

幸い、新拠点の専用サーバールームも決まったので
あとはそのサーバーの能力と相談しながら、攻め具合を変えていけたらと思います。

■ 4月危機でよかったこと

・・・以下、先に書いておいたものの、流れの中に入らなかった話題をポツポツと。

作者は、「転んでも絶対にタダでは起きないタイプ」ですが
ドローダウンが厳しい中、身体が絶不調で、身体的な痛みがピークに達し
深夜に痛みで涙をボロボロに流しながら一睡もできずに叫び声を上げながらベッドでのたうち回りつつも
頭の中だけはドローダウン解決のためにフル回転していた、その瞬間!!
・・・突然わけの分からない閃きが生じて、気づいたら一番処理の重いソフトが3倍高速になりました。。不思議。

いやもう、これまでだって充分に厳しく厳しく追い込んで高速化してきたんですけど、
あの時は自分でも何だか分からないうちに、改善された完成形が頭に浮かびまして。
今振り返っても、あの3倍高速化は
あの痛みの中じゃなかったら浮かばなかっただろうなぁ・・・と思います。

ただ、ホントもう痛いのは勘弁ですが。。
この世にこれほどの痛みがあるのかと何度も思いました。
痛いのは嫌です、本当に。。

■ ざっくりとした感触の話

現状はドローダウンで何とも歯痒いのですが、
全体の感触としての自信は深まってはいます。

プロジェクト初期で使用しつつ不調のまま引退させたEURUSD Frame-TypeBPも、あの後実はしっかり勝っていて
プロジェクト開始当初に『しばらく不調が長引くかも知れませんが、長期的には勝つ見通しです』と言った通りの結果に繋がりました。
また、公開用意まで進めて結局未使用のFrame-TypeMDも、実はしっかり勝っていたりします
(※この辺りの成績は、あえてわかりにくいこちらのページに載せてます。無料版ことFree-TypeAのその後も見れます。毎週土曜更新です。)

なんというか、大体当初の目論見程度には、「長期的に見てプラスになる感触」は予想通りの手応えがあり
材料は十分、「一億円達成のために必要なもの」が揃っているので
あとは歯車が噛みあえば、達成できるのではないかなと、そういう感触は持っています。

歯車の噛み合わせも、大規模シミュレーションを使えばこれまでとは違う次元で見れるので
8月以降、専用サーバールームを大いに使ってその辺を見て行って・・・というのが
プロジェクト運用上は最も良いかなと思います。

もちろん、VPSも進めつつ。。
(知人のネットワーク系の資格持ちでサーバーの保守管理の仕事をしてる方に手伝ってもらう事になったので、そちらも順次進めていけるかと思います)

■ 無料版のFree-TypeAのその後をホームページの分かりにくい場所とはいえ掲載を続けている訳

『有料版は必ずコレに勝つ!』という意思の表れで、そのための比較用です。
こんな分かりにくい場所にあるとあまり意味はないんですが
しかし、「無料版の成績は人の目の届く場所に今も掲載され続けている」
という緊張感を持ってやれるのが良いので。一言で言えば、ライバル心のキープのためです。

無料版は、はっきり言って運がよく
大得意な相場をいきなり一発目で引き当てたので、
なかなかこれを追い越すのは難しいんですが
プロジェクト終了までには追い越す事になると思うので、このまま掲載を続けていきたいと思います。

■ 無料版を無事成功できた話

本当によかったです。
有料版の方に喜んで頂けたのも嬉しかったです。ありがとうございます。

というか、終了後に無料版のユーザーさんから喜びの声などは一つも入ってないので実はちょっと寂しいんですがね・・・。
いや、感謝されたい為にやっていた訳じゃないからいいんですが
『無料版終わったんだったら、私のコレとコレの処分やっておいてください』とかばっかりで、
ちょっと寂しかったのですよ。。

でも、まぁこれは自分にとっての"ケジメ"だったので、ケジメがついてよかったです。
残るは有料版プロジェクトが成功できれば、私のケジメは完結します。
半分は達成できたので、もう半分! 頑張りたいと思います。

■ ブログ更新のために思うこと

以前ご要望を受け、いろいろ調べた上でホームページ右の「ブログ記事をメールで受け取る!」を導入した訳なんですが
申し訳ないんですが、自分の性格から申し上げて、これが無い方がブログの更新がし易い気がしてなりません。。。
自分でも導入してみてびっくりしたんですが、どうにもメールが配信されると思うと気楽に書けなくって。。

すでにこの機能にお気づきの何名もの方にご登録頂いているので、
非常に申し訳ない所なんですが、、、うーん。。。
次は、サーバールームの写真などもブログでアップする予定で
書く内容もはっきりしている分、書きやすいと思うので、
やりながらもう少し悩んでみます。

もしまた、今回のようにあまりにブログ更新が滞る要因になってしまう時は
申し訳ないんですが、外すことになるかも知れません。。。ごめんなさい。。
これがないと御迷惑をお掛けする事にもなると思うので
なるべく、維持できるよう努めたいと思いますが、
自分でもびっくりなほど、どうにも性分に合わないようなので
重要な告知は、すべてAutoTraderホームページで行うという事で、
お知らせはあちらのホームページのメルマガにてお受取頂くという事で。。

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触れるべき話題にきちんと触れているか、抜けている事がないか不安ではありますが
今日ももう限界で、しかし今日こそは絶対にブログを更新するぞと決めておりましたので
ひとまずここまででアップしたいと思います。

ちなみに、文中とはもう時間が前後しているので
実は本日、法務局行って書類取ってきてサーバールームの契約も無事済ませてまいりました・・・!!
賃貸契約書の表紙にしっかり『サーバールーム』と書かれています。
嬉しいです。いよいよです。
もう後には引けませんね。いや最初から引いてませんけども。
楽しみで楽しみで仕方ありません。

今日はちょっともう写真撮る気力もありませんが、
また後日余力があればこの表紙もアップしてみたりして良いかも知れません。

では、おやすみなさい・・・!


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posted at 2010年07月31日 03:14