2010年12月14日
1年目の総括をしたいと思います
長らくお待たせ&ご迷惑お掛けいたしました。
早いものでもう一年、現在の残念な運用成績の中恐縮ですが
この一年間を振り返りつつ、今後の展望などを書きまとめたいと思います。
今回は、これまでの総括記事という事で
最近のプロジェクトとは直接関係のないようなものも含めて
まずは、全てのポートフォリオの成績を振り返りたいと思います。
■ その前に ・・・
今回の総括をする時にいろいろ問題点を感じたので
公式HPのポートフォリオ成績ページに以下の改善を施しました。
1.モデルケースのレバレッジ履歴が一目で分かるように
2.レバレッジを一律固定にした場合どうなるか?を掲載したページを用意
1により、例えばEURJPYのTypeUBが3.5倍→3倍→2.25倍→1倍→2倍、と
変更されてきたことが一目で分かるようになりました。
2ですが、現状のようにEURJPYのみで運用していると
これまでの成績ページでは、EURJPY以外の運用成績が更新されず
モデルケースで使われていないポートフォリオが今どのような成績か分からないためです。
詳しくは、解説ページもリニューアルしたのでそちらをご覧頂きたいと思います。
(この解説ページは、公式ホームページのモデルケース資産グラフの所にある「詳細を見る」リンクからいつでも見れます)
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それでなんですが、、悪い事ではないものの非常に申し上げづらいニュースが一つあります。
というのも以前、モデルケースをEURJPYのみに絞るという臨時措置を取る時に
『―これにより資産回復の機会を失うかも知れませんが、プロジェクトとしては大規模シミュレーションまで資産を保存する』
といった旨の発言を公式の方に書き、現在もそのような目的で資産を保存しながら再生の機会を伺っている訳なんですが
なんというか、、勘の良い方はもうお気づきかも知れませんが
実はあの後、EURUSD、GBPUSD、USDJPYのTypeUB・URが揃って復調して
一気に資産を急回復させるという、そういうような事が起きております。・・・はい。
作者も無料版プロジェクトに続き、またしてもデモ口座ばかり資産が増えており
やるせなさと同時に、本当に申し訳なさで頭を抱える次第なのですが
ただあの時すでに手元で得ていた大規模シミュレーションの感触の良さを踏まえて総合的に考えた時
『資産をこれ以上減らさないこと』が先の見えないあの状況で何より最優先である事は、今振り返っても変わらないので
EURUSD等が復調したことは、それはそれとして距離を取りつつ今回の総括を受け止めて頂ければと思います。
・・・もしあの時点で他に頼るものが無ければEURUSDも継続したと思いますが
すでに『大規模シミュレーションなしの運用なんて考えられない』ほどなので
細かくは後ほど触れますが、大規模シミュレーションがきちんと仕事をすれば
まだまだ慌てなくとも充分取り戻せると考えています。
あと、先に申し上げておきますが、だからといってこのタイミングでEUSDUSDやGBPUSDの使用再開をするのはお勧めいたしかねます。
システムトレードでは、勝ったあとにレバを上げる(使用を開始する)、負けてからレバを下げる(使用を停止する)と
大抵は、資産を減らすことになります。
すでにEURUSDやGBPUSDを使用していて、充分利益が乗っている場合は良いのですが、
そうでない場合は、逃した魚は無理に追わず、新しい気分で大規模シミュレーションの投入をお待ち頂ければと思います。
(満足のいく運用成績を提供できてないのは、すべて私の責任のため
強くは申し上げづらいのですが、利益を逃すよりも大きな損失を計上してしまう事の方が
取り返すのは非常に難しいので、その点は重々ご承知おき頂ければと思います。)
■ この一年間のポートフォリオ成績
さて、前置き長くなりましたが、以下各ポートフォリオの成績をまとめていきたいと思います。
ただ、単純な実運用の状況はモデルケース成績一覧ページからいつでも見れるので
今回は節目という事で、プロジェクトでの役目を終えたものや、モデルケースのレバレッジ変更がもしなかったらどのような成績だったか?など
そういった各ポートフォリオ単体の性能に触れながら
全体としてプロジェクトの置かれている状況を振り返り、今後の展望を書きまとめたいと思います。
まずは、現在の正規プロジェクトとは直接関わりの無いシステム3つからです。
(※ 以下、成績は2010年12月12日時点のものです)
○ EURUSD TypeBP (~ 2010.12.12)
プロジェクト初期に、その命運を一手に引き受けていたTypeBPです。
プロジェクトでは当初単独レバ10倍で用い、1月24日から3倍に落として他システムと並行運用し
4月4日に役目を終えました。
もし、このTypeBPをレバ10倍でずっと単独運用していたとしたら―・・・
―このような成績になっていた模様です。
このシステムも、最近のEURUSD相場の影響でずいぶん巻き返して、何とかプラス収支です。
○ EURUSD Free-TypeA (~ 2010.12.12)
無料版プロジェクトとして大活躍したFree-TypeAです。
当初の計画では、TypeB、TypeCと引き継がれていく予定だったのですが
一人で全仕事をまっとうしてしまったという。。
ただ、そのおかげでクラウド版の移行など助けられた部分も多かったです。
このシステムをレバ10倍で単独運用継続していた場合は以下の通りです。
金額の規模は違いますが、TypeBPと資産推移のカーブは似ています。
ただ、同じように6~7月に資産大幅に減らしてもプラス210万なので収支としては御の字です。
有料版でこのくらいの成績が出せていたら、この総括記事ももっと明朗快活な文体になっていたかと思うのですが。。
ただ、このシステムに救われた部分も大きいので、惜しんでないで生かせる部分を次に生かしたいと思います。
○ EURUSD TypeMD (~ 2010.12.12)
ほとんどの方に馴染みのないTypeMDです。
TypeBPと併用するつもりで準備しつつ、結局お蔵入りになったシステムですが
実はシグナル自体は初期から今までずっと配信されています。
これも、TypeBPと同じく最近の稼ぎでプラス収支です。
レバ10倍だとやっぱり、増し方大きいですね。。
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以上が、役目を終えているシステム達ですが
このような機会でもないと触れることも無いので、もう少しまとめておきます。
まず、どれも大元に使われている技術は同じなので資産推移曲線は似ています。内部の組み合わせが少し違うだけです。
ただ、その違いで結果が+20万~+200万ほどまで差が出るのは大きいので
そういった意味でも、大規模シミュレーションは今後必須かと思います。
(大規模シミュレーションでは、この「内部の組み合わせ」の良し悪しを事前にある程度計ることが可能になってきます)
ちなみに、この3つは「Frame更新(Frame矯正)」という技術を使ってないので
厳密には、FrameTradeの範囲には含みません。
■ TypeUB / TypeUR系
2010年4月からメインを努めたTypeUB, TypeURです。
性能差をわかりやすくするため、レバ2倍固定でそれぞれ運用した場合の成績を見ていきます。
○ EURUSD TypeUB, TypeUR (2010.04.04 ~)
先ほどのEURUSDシステム3つと同じく、5月で大きく稼ぎその後6月・9月に大きく下げている流れは同じですが
先ほどのシステム3つが、わりとあっさり資産を減らしてしまうのに対して
粘り強くしがみつこうとするFrame矯正の特徴がそこそこ見受けられます。
(先ほどのシステム3つは7月も資産を減らしてますが、UB,URは7月に資産をやや回復させています)
ただ、成績自体は褒められたものではありません。。
○ GBPUSD TypeUB, TypeUR (2010.04.04 ~)
我々が使用を停止した10月下旬から一気に資産を回復させている点は、、、今は置いておくとして
「行って来い」な感じになりやすいという傾向は、最初の3ヶ月で見られた通りで
その傾向がその後も維持出来ている点は評価できます(傾向が維持できる、というのはシストレ的には非常に大事です)
ただ、これも成績自体は褒められたものではありません。。
○ EURJPY TypeUB, TypeUR
何も言うことはございません。。理想です。
唯一、最初に思い描いていたものを体現してくれたシステムです。
これに及ばなくとも、こういった推移の出来るシステムが揃えばプロジェクトは成功します。
大規模シミュレーションを通して、こういったシステムを取り揃えていくのが喫緊の課題です。
○ USDJPY TypeUB, TypeUR
我々が使用を停止した10月下旬から資産をやや回復させています、、、が
これはこれであまり言う事は無く、唯一、ありがちなシストレ失敗例のような推移になっていると思います。
■ まとめ
以上、プロジェクトで使用されているシステム(とその周辺のシステム)の
"レバレッジ変更を含まない"それぞれの単体性能でした。
これらを踏まえた上で思うのは、、、やはり以前にも書いた通り「あともう少し、上手く噛み合えば・・・」という事です。
現状、はっきり言ってプロジェクトの資産をほとんど増えておらず
この1年は、大敗と言ってよい一年だったと思っています。失望された方も多いと思います。
ただ内情としては、結果に結びついてないものの
この1年開発した開始当初の3つ+その後の8つのシステムも
USDJPY以外はトントンを維持しつつ
その中のいくつかは、魅力を感じさせる成果も挙げていたので
システム自体は評価できる部分が結構あると思っています。
USDJPYシステムは残念でしたが、研究歴のもっとも浅い通貨ペアということで
妥当でもありまだ救いもあります。
また、いろいろなプロジェクトの進行上の都合もあり、モデルケースも何度か大きな変更に見舞われましたが
その辺りの変更がほとんど運用成績上マイナスに作用したのも、プロジェクトが伸び悩んだ大きな要因です。
TypeUB・UR系も、上の通り単純にレバ2倍で合計するだけで+120万程度にはなっていたはずで
プロジェクトも300万→420万ということで+40%、初年度の進行具合としてはまずまずといった所で終えられていたはずでした。
皆さまには本当に申し訳なく感じるとともに、私自身も大変悔しく思います。
ただ、やはり手元の材料でやれる・・・とは強く思いますし
このような成績の中、あまり胸を張っては言えませんが
かろうじてながら、システムトレードでもうここ4年は年間通じてマイナスにならずに
総合的には、成果が見えているので
やはり、もう少し、あと少し運用成績とプロジェクトが上手く噛み合えば、、と思います。
この辺り、詳しくは後述しますが今後控えている大規模シミュレーションと、
その次に控えている超・大規模シミュレーションが始動すると
作者の判断の入る余地は大きく減り、
モデルケース・レバレッジの妥当性・収益性といった辺りが安定するので
とにかくその投入を全力で進めたいと思います。
■ 利用料について
・・・とはいえ、いくら見込みがあると言っても
この高額な利用料を差し引けば、魅力も大きくダウンという話ですので
最近は、利用料を引き下げもよく検討しています。
作者の見通しとしては、現時点のマシンパワーであれば
大規模シミュレーションその他の投入で、現在失っている程度の資産は回復できると考えていて
逆に言えば、このマシンパワーで勝てないようではダメと思っています。
そういった意味で件の検討をしていますが
もちろんマシンパワーがもっとあった方が、より確実なプロジェクトの運営ができるため
それほど急に大幅な値下げは本末転倒にもなってきます。
その辺りはバランスなのですが、現在のマシンパワーであれば
ある程度、しっかりとした結果を皆さまにきちんとお見せできると思います。
具体的なところは、まだ、少し並行して進めている他の要素もあるので、正式な発表ではないのですが
第一弾として1月5日のお支払い分から16,000円として
それ以降は状況に応じて・・・というプランが濃厚です。
金額として、それほど大きな値下げではありませんが、
今一番重要な大規模シミュレーション関係で、まだやや不確定な要素が残っているので
その辺りを考慮しながら、段階的に対応していきたいと思います。
■ 技術的な展望まとめ
1年という時間的節目だけでなく、現在はサーバールームやクラウド化、リアルタイム化などの環境面でも
一通り片付いたという意味で節目ですので、
残りプロジェクト上の技術的な展望というのを、少し先まで専門用語込みでここに記しておきたいと思います。
専門的な話題なのでスルーして頂いても良いのですが、
大まかにまとめると、今後の取り組みは以下の8つです。
1.大規模シミュレーションの投入
2.超大規模シミュレーションの投入
3.プログラムの高速化1 - データ構造の改良
4.プログラムの高速化2 - シミュレーション部の再設計
5.プログラムの高速化3 - GPGPU(Cuda)の検証と実装
6.総合的なビジュアライザの開発
7.既存のライブラリを用いたデータ検証環境の構築
8.その他アイデアの検証
それぞれ、簡単に内容を説明させて頂くと
まず1はそのまま、今やっている大規模シミュレーションです。
これにより現状の問題点の大半はカバーされるので、一日でも早く投入できるよう
とにかく頑張りたいと思います。
2は、これまであまり書いてきませんでしたが、大規模シミュレーションの次に控えているものです。
この段階の終了した形態を、開発時のイメージから Complete Closed Complex (CCC) と呼んでいます。
この段階に達することで、FrameTradeのポテンシャルは8割方発揮できるようになると思います。
大規模シミュレーションが完成していればCCCは連携部を作るだけなので
それほど時間は掛からないだろうと思います。。
本来なら、1年目の途中でここまで達してるはずだったんですが、、、もうこの1年はとにかくVPS関連に振り回されてしまった感があります。
この件は本当に申し訳ない限りです。。
3~4はプログラムの改良です。
プログラムも随分と増築を重ねてきたので、ここらで再設計して高速化を図りたいと思います。
5は、最近スパコン分野で話題のGPUを取り入れよう!という話です。
昨年、長崎大の方が計算機界のノーベル賞と言われる賞を受賞したのも
このGPUを上手く活用した功績が認められての受賞でして
先月世界4位になった東工大のスパコンも、このGPUというのを大いに活用した結果です。
ここ数年、GPUの活用はスパコン界で注目されています。
作者もこれまで何度か軽く調査はしていたものの、
うちのプログラムにはあまり応用できないかな・・・と思ってたんですが
いろいろ考えている時に少し大胆な活用法を閃いて、ちょっとGPU使えるかも知れない気配になってきたので
一つ試してみようと思います。
GPUが本当に上手くハマった場合、プログラムは劇的に高速化する可能性もあります。
ただこの辺りは本当に難しい話なので、話半分に思っていただければと思います。
6は半分オマケのようなものですが、作者のシステムトレーダーとしての第六感を生かすという意味では重要です。
ただ、CCCが完成すれば今ほど作者の判断の入る余地はなくなります。
CCCに達すると、FrameTradeは単体で完全に一つの世界として完成します。
7~8はオマケというか、CCC完成後の作者の研究・検証の話です。
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8つも書いてしまいましたが、現状のプロジェクトにとっては
1~4が重要で、特に4まではやった事がそのまま運用成績に繋がっていくと思います。
5~8は、上手くいけば大きく運用成績に繋がるけども、必ずしも結果に結びつくとは限らない類のものです。
1年目は立ち上げという事もあり、どうしても周辺環境に関する取り組みが増えていたのですが
2年目はこの辺り、シストレの技術的な部分を中心に日夜開発を進めていけるかなと考えています。
■ 大規模シミュレーションの提供時期について
現在、準備を進めておりますが
計算量が尋常ではなく一つ二つ再計算が生じただけで
週単位でスケジュールがズレ込んできます。
そのため、具体的な時期は非常に申し上げづらい状況です。
個人的な気持ちで言えば、できれば12月中に何かしら動きを出せたら…と思うのですが
来月頭までずれ込む可能性の方が高いかと思います。
続報は追ってご報告したいと思いますので
申し訳ないのですが、もうしばらくそちらをお待ち頂ければと思います。
■ 最後に
このような成績の中恐縮ですが、個人的な感想も書いておきますと
プロジェクトの最終目標については、やはり達成自体はおそらくできるだろうと思っています。
実際の自分の資産という意味では、やはり運用成績がトントンに近いというのは溜め息モノなのですが
もう、ここ4年くらいプラス収支で、トレードの内容を見ていても、やはり年間で極端なマイナスになる事は今後もそうそうないトレード内容と思いますし、
たまにFree-TypeAやEURJPYのようなヒットは出るので、それをうまくプロジェクトに噛ませていければ
順々に、1億に近づくと思います。
1億という金額は、資産2倍を5回達成する程度の額ですし、資産2倍ならヒットが絡めば達成できる感じもありますし
今回逃したEURUSDやGBPUSDの回復を踏まえても、やはりFrameTradeは長期的に続けさえすれば全体的にプラスに向かいやすい傾向も感じているので
これでCCCが完成すれば、より資産は粘り強くなり、全体的なヒット率も向上してくるので
あとはコツコツとヒットを待ちながら積み重ねていけばゴールかなと、そのように感じてはおります。
ただ、現状が伴ってなくて申し訳なく、、、本当に申し訳なく思っております。
無料版のような結果が一つでもプロジェクト上で絡んでくれば、皆さんにも安心して見て頂けるようになると思いますし
素材は充分揃っていると思うので、まず結果を一つ、とにかく一つしっかりと結果を出したいと思います。
■ オマケです。
「もし10月20日にモデルケースを変更しなかったら?」・・・です。
その場合、この日以降EURUSD, GBPUSD, USDJPYのすべてのポートフォリオが揃って大きく資産を回復させ
このような事になっていた模様です。
・・・改めて確信する訳ですが、うちのシステムは本当、長く続けておけばどこかで勝つ傾向見受けられると思います。。
ただ、この結果はあくまで済んだ話として距離を取りつつ、今は大規模シミュレーションが控えてますので、そちらをお待ち頂ければと思います。
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以上、長文お付き合い頂きありがとうございました。
この1年、成績は振るいませんでしたが可能性を感じさせるシーンが無かった訳ではないと思うので
2年目、皆さまに「続けていて良かった」と言ってもらえるよう
より一層頑張りたいと思います。
この1年が最も重要な1年になると思って頑張ります。
大規模シミュレーションの方でお知らせできる話題があれば、また書きたいと思いますので
続報については今しばらくお待ち下さい。
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posted at 2010年12月14日 09:51