2006年05月26日

初心者向けトレード講座 1 - FXは簡単じゃない -

という訳で更新のネタに困った時に突然やるトレード講座もどき、その1。とりあえず初心者向けという事にして、普段思ってる事を好き勝手書きます。対象は一応、トレード暦(ヴァーチャ含む)が大体3ヶ月-1年未満くらいの人という感じで。

―では、早速思いつくままに。

まず、FXのトレードの大前提として声を大にして言いたいのはFXは難しいということ。世間では「FXは簡単!」という売り文句をよく聞くし、それも確かに正しいのだけど、この場合「簡単」という言葉に二つの意味合いがあるのに混同されている気がする。
どういう事かというと、そもそも巷で言われている「FXは簡単」というのは正確に言えば「FXは仕組みが簡単」という事を言っているのだと思う。FXなら株のようにややこしい制度もなく、通貨ペアも少ない。ただ単純に、安く買って高く売る、もしくはその反対をするだけ。仕組みだけなら半日ですぐ覚えられる。確かにFXは簡単だ。

それに、チャートの値動きも、地政学リスクや経済指標の結果などで動いてるように見えるから、素人にも「動く理由」が納得しやすい。『テロがあったからドルが売られました』、『貿易収支の結果が良かったのでドルが買われました』など、中学生でも理解できるほど「理由が納得しやすい」。FXはやはり簡単だ。

でも、それは仕組みが簡単だというだけで、「儲けるのが簡単」なのではない。仕組みのシンプルさと、勝ちやすさに相関性はない。凄く当たり前なんだけど、「FXは簡単」という言葉だけからそこまで想像するのは中々難しいし、巷では何だかその辺り狙っているのか知らないが混同された言い方をよく見かける。というか、人間の感覚というのは面白いもので、仕組みが簡単だと勝つのも簡単に思えてくるし、実際そう感じるのである。逆に、複雑怪奇な仕組みのものは勝つのも難しいように感じるのである。仕組みのシンプルさと勝ちやすさに関係はないのに、そう思ってしまう。
でも、そこは絶対に履き違えてはいけない。FXは難しい。自分が資産30倍にした時もFXは難しいと思いながらずっとやっていたし、それは今でも変わらない。

だが、それを実際に実感として認識するのは更に難しい。なにせ、通常のレンジ相場なら、「下がって来たからここで買えばその内戻るだろう」という安易な逆張りで勝ててしまう。おまけにその読みが外れて損ポジになっても、放っとけばその内プラスで仕切れる時が来てしまう。しかもそういう相場の時の方が多いから、やっぱりFXは簡単だという事になってしまう。本当に不思議だけど、なぜか人間は苦労せずに勝つと簡単な気がしてしまうのだ。…負けるときも苦労せず負けるんだから、苦労したかどうかなんて簡単かどうかとは関係がないのに、そう感じてしまう。

で、それに慣れてしまうと、初心者はだんだんと損切りを遅らせたり損切り自体しないようになってしまう。それこそが一番恐ろしいワナ。やはり、損切りだけは徹底しなければならない(※1)。その理由は、この時期ならば細かく説明しなくとも理解して頂けると思う。この前のドル売りトレンドによるFXブログ界の塩漬け派の阿鼻叫喚を見れば、一発である。長期的に資産を増やしていくつもりならば、損切りだけは絶対に徹底しなければならない。もうちょっと細かい理由はまた次回。

といった辺りで次の「勝率100%のシステムから損切りを考える」につづく。

※1 : スワップ派はトレーダーとはまた違うので除く


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posted at 2006年05月26日 20:15

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コメント

投稿者 ニャンコ : 2006年05月26日 23:58

こんばんは(^^)

とても勉強になります。

次回の講座も楽しみにしていま~す

よろしくお願いします ☆♪

投稿者 otk : 2006年05月27日 14:30

ありがとうございます
なるべく、余所では書かれてないような事を書いていきたいです
どこまで書けるか分かりませんが、頑張ります

投稿者 CAI : 2006年12月13日 01:16

なんてこった。まさに今の僕の事じゃないか。
とりあえずotkさんのブログを読破しようと思って初心者用のとこにきたらいきなり胸をひと突きされて、そこから血がどばーっと出てきたような感覚におそわれました。
まあ、つまり、グサっときたわけです。図星です。

バーチャルでやっていたものがとうとう18万になってしまいました。おかしいなぁ100万あったのに・・・。

投稿者 otk : 2006年12月14日 05:12

古い記事まで読んで頂いて、どうもです!
この記事、そういえば、連載のつもりだったのに第一回限りで終わってたなぁ…汗
…すみません

グサッと来ましたか
ある意味、みんなが通る道なのかもしれません
それに、痛みを知らないまま危機管理というのも、なかなか自覚・自制が難しいですし
バーチャルとはいえ、その経験は肥やしになるとおもいます!