2006年06月29日
仕掛け、手仕舞い、ポジションサイジングのあれこれ
頂いたご質問にお答えして、とりあえず思ってることなどをつらつらと。
ただ、どうもなんか自分のクセで、丁寧に文章書こうとするとなかなか思うこと書けないので、ちょっと言葉汚く書きますがそこはご愛嬌で。
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まず大別するとこの3つ、初心者は「仕掛け」、中・上級者は「手仕舞い・ポジションサイジング」を意識している、みたく語られる事が多いですね。
でも個人的には、初心者は「仕掛け」、中級者は「手仕舞い・ポジションサイジング」、上級者はなんかよくわからん何か、という辺りを最も意識するんじゃないかと思ってます。ちなみに上級者を「何だかよくわからん何か」とわざわざ分類したのは、上級者はホントに大事な事は口外せず、みんな口を揃えて中級者と同じ「手仕舞い・ポジションサイジングが大事だ」みたいな事しか言わないけど、でもそれあんたら本心で言ってないだろー!!とか個人的に思ってるからという不満の発露であり、つまり割とどうでもいいです。すみません。
で、えーとそれはまぁともかく、この3つの区分けの本題に戻るとつまりこれは「初心者は手仕舞い・ポジションサイジングを蔑ろにしがちだ」という一点を表していることになるわけですね。うーん、まるでこのブログの事のようだ < ポジションサイジング蔑ろ
で、ともあれそんな背景からかシストレの世界的にはこの3つを並べた時「手仕舞い、ポジションサイジング」の重要性が特によく語られるわけですが、ただ、勿論それは全く正当ですごく大事なのだけど、個人的にはその2つはわりとみんな同じ見解に行き着くと思ってます。つまり、手仕舞いやポジションサイジングのロジックってわりあい「一定の解」みたいなものがはっきりしていて、そしてそれは勉強とか経験を重ねればみんな近い落とし所に落ち着くんじゃないかなーと思うわけです(※このブログのようにネタに走るのが好きな奴を除く)。
ただ、そうは言っても、やっぱりポジションサイジングの考え方一つの違いでシステムトレーダー同士が言い争ってたりはするようです。でも、なんかそういう現場に出くわしても「それ言葉が違うだけで、―いやまぁ結果も多少違うだろうけど、本質的にそこまで考え方違わなくないか?」なんて思うことが多いわけで、やっぱりそうやって言い争うにしてもみなさん同じ土俵を共有してその上に立ってますなぁ、みたいな感想を抱くことが多い。
で、だから結局戻ってくるのは「仕掛け」だと思うわけです。仕掛けってやっぱり、みんな考え方バラバラだし色々な考え方がある。そもそも順張りなのか逆張りなのかで正反対だし、短期と中長期でも全然考え方が変わってくる。もちろん、「結局勝てるのは長期のトレンドフォローだ!」といったわりとみんながそこそこ同意する(自分もこれには同意する)手法もあり、そういった共通してる見解もあるにはあるけど、例えば某ノーベル経済学賞の受賞者を抱えていたLTCMの手法はそれとは正反対の「超長期の逆張り」だったわけで、上のようなみんなの同一解みたいなものにすら相反するやり方があって実際に実践されてる辺り、やっぱり仕掛けのロジックってのはなんでもありで、手仕舞いやポジションサイジングのような「一定の解」はないなーと思う訳です。(※まぁLTCMが破綻したからこそ「結局勝てるのは長期のトレンドフォローだ」と語られてる節もあるかも知れませんが)
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だからまぁ、手仕舞いやポジションサイジングの大事さを意識し、その考え方を知った人ならば、あとはやはり結局のところ「仕掛け」が苦悩のしどころ。
なので、名著のバン・K・タープ著「魔術師たちの心理学」で書かれてるような『仕掛け<<(超えられない壁)<<手仕舞い・ポジションサイジング』のような語られ方は、ちょっと前時代的ではあるかなーと感じます。手仕舞い・ポジションサイジングの重要性は確かに全くその通りではあるけど、でもそうやって一度手仕舞いやポジションサイジングの重要さを知ったら、その辺りのバランスはまた変わってくるよなと思う訳で。それにその辺りは勉強すればなんとかなるよな気がします。まぁでもこれはそういった知識が本やネットで伝播/普及しているおかげでもありますね。
ただ、そもそも手仕舞いやポジションサイジングの手法って、一定の手法以上なら、特に画期的で斬新で発明的な方法が必要って類のものじゃないと思うし、そういう独創性ってどちらかというと「仕掛け」に必要なわけで、仕掛けの方がやはり大変だよなぁとは思います。
しかしそれも、既に自分の中で「仕掛けと手仕舞いというのは、2つセットで"仕掛け"なのだ」みたいな感覚があるから、余計にそう感じるというだけかも知れません。
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というわけで、思いつくままに書いてみました。
なんか落とし所がわりと普通ですんません。。
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posted at 2006年06月29日 07:45
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コメント
投稿者 otk : 2006年06月30日 20:37
実は上の記事は書いてるとき色々何をどう書くかで迷ったので
参考になったと言って貰えると、こちらもありがたいです
お役に立てて何よりです
> また、いい仕掛けで、いい検証結果がでましたら再度報告させて頂きます。
楽しみにしてます
時間の確保、厳しいかもしれませんが
焦らずじっくり、頑張って下さい ノ
投稿者 ちゃぴ : 2006年06月30日 14:17
質問に対してご丁寧に、しかもこんな記事にして
書いて頂いてありがとうございます!!
「達観ですね!」
私は、まだまだ勉強途中ですが、手仕舞いとポジションサイジングの重要性は
理解していたのですが、確かに現在、仕掛けを探し検証している自分に取って
今回のブログは大変参考になる内容でした。
> ただ、そもそも手仕舞いやポジションサイジングの手法って、
> 一定の手法以上なら、特に画期的で斬新で発明的な方法が必要って類のもの
> じゃないと思うし、そういう独創性ってどちらかというと
> 「仕掛け」に必要なわけで、仕掛けの方がやはり大変だよなぁとは思います。
特にこの部分は、otkさんが自分の何歩も先を進んでいるのを
肌で感じました。本当に色々と勉強になります。
otkさんのブログに出会えてよかったです。
また、いい仕掛けで、いい検証結果がでましたら再度報告させて頂きます。
(はやく自動売買プログラムの開発に入りたい、、、でも時間が、、。)
もっと感謝と感動を文章で表現できればいいのですが、
うまく書けないので、こんな感じですいません。