2009年12月31日

100万円以下の方に朗報かも知れない新機能

遅くなりました。
ちょっと昨夜身体が不調でして…申し訳ありません。。

以下、書いてみたら予想以上に長文になってしまいましたが
システムトレードの方法論としても面白いので、ぜひ読んで頂けたらと思います。

また、100万以下の方だけでなく300万の方にとっても
資産の運用効率を向上させる方法になりえますので
ぜひご覧頂けたら幸いです。

ちなみに今回の機能は会員の方とお話している時に思いついたものだったりします。
公開プロジェクトも良いですね(普段一人で研究篭りきりなので)

■ 100万円では、300万円のレバ10倍の代わりにはならない…?

300万は大金です。なかなかポンと用意できない方がほとんどではないかと思います。
かといって100万のレバ10倍では、300万が1億に達する時、3300万にしかなりません。
まぁ3300万でも充分凄い金額なのですが、最初の200万の差で6700万も結果に差が出てしまうと
なんとなく悔しい訳です。というか、なんとなくじゃなく悔しいと思います。

ですので、当然

 『100万円で何とか代わりにならないだろうか…。レバ30倍にするとかして。。』

と、考えたりする訳ですが、これは皆さん何となくお気づきの通り
300万円のレバ10倍と、100万円のレバ30倍では
資産運用時の効率やリスクが大きく変わってきますので、代わりにはなりません。

まずここを具体的に書いてはっきりさせてみましょう。
たとえば、100pips利益を取ったあと90pipsの損失を出すケースでは、それぞれこんな未来になります。

【300万円 レバ10倍の場合】

最初のトレードはレバ10倍を掛け30枚でトレードするので
100pips利益を取った時点で330万。

次のトレードはそこからレバ10倍を掛け33枚でトレードするので
90pips損失を出すと29.7万円の損失
最終的には300万3千円となる。3千円の黒字です。

【100万円 レバ30倍の場合】

最初のトレードはレバ30倍を掛け30枚でトレードするので
100pips利益を取った時点で130万。

次のトレードはそこからレバ30倍を掛け39枚でトレードするので
90pips損失を出すと、35.1万円の損失
最終的には94.9万円となる。5.1万円の赤字です。

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このように、レバレッジを上げて最初のトレード結果が一緒になっても
運用するとなると複利への影響が強すぎて
運用過程で損失となるケースが増えてきます。

実際のAutoTraderも、地道に細かなポジション調整を繰り返し
こういった複利の効果は強く影響してくるので
この影響によるデメリットは大きいと予想されます。

でも実際やはり、『ならばレバ15倍くらいで何とか…』と考えられた方も多いのではと思います。
何か方法がありそうですよね。

■ 本当に方法はないか…?

これらを踏まえた上で、でも何となく違和感を感じたので一晩考えてみました。

その結果なのですが、この問題に対処するため
『仮想資金との比を取って運用する』と地味に面白い現象が起きそうです。
また、具体的に書いてみます。

まず先ほどと同じように、100万円のレバ30倍で100pips利益をあげ、130万円となったとします。
そしてここが肝心ですが、次のレバレッジを『330万 × レバ10 ÷ 130万 = レバ25.3倍』として設定します。
すると、次のトレードのポジションサイズは、300万と同じ33枚になります。
39枚にはなりません。
当然その結果の損失は29.7万円で、300万の運用時と同じなので
300万は+3000円の黒字、100万円も+3000円の黒字となります。

つまり、実際の手持ち資産100万とは別に
仮想的に300万円の資金をシミュレートして、手持ちの損益をそちらに反映しつつ
資産の比を取ってレバレッジに反映する事で、レバレッジを滑らかに可変する事ができるという事です。

これは資産運用上、大変メリットのある面白い機能なのですが
まだピンと来ない方のために、何がどう凄いのか書いて見ます。

■ 永遠に距離が縮まらない。しかしそれこそがメリット。

上記の方法は、300万と100万という間の200万という『差額』が埋まる事は決してないです。
その差は永遠に縮まりません。
しかし、逆の見方をすれば、常に一定の差が維持され続けますので
300万が1億円に達する時、100万が9800万円に達する訳です。
差額が完全に固定化される訳です。

これは、ほとんど冒頭の悩みを解決したと言っても過言ではありません。
通常、300万が1億になる時、100万は3300万までしかいけない。
かといってレバレッジを上げただけでは、300万と同じトレードはできない。
しかし、これが逆数を掛けることで同じトレードになります。

300万が600万になる時、100万は400万になります。差額は200万のままです。
そして300万が1億に達する時、100万は9800万になります。

これ、作者もプロジェクト開始当初には考えついてなかったです。
考えてみれば、すごく当たり前の事なんですが
でもこれによって、定率の世界が定額の世界に変換される訳です。
…全部定額になるので、これはある意味凄いことです。

という事で、この『仮想資金を設定して、比を取って運用するモード』を
現在、実装に向けて開発中という事だったりします。

■ AutoTraderプロジェクトは、逆に言えば60万をリスクに晒して1億を目指すプロジェクト

リスクをどのくらい取るかについて、FAQでしか書いてなかったので改めて書いて見ますが
AutoTraderプロジェクトの運用では、最大ドローダウンは10~15%以内で納まるよう運用していくつもりです。
そして、終盤は7~10%くらいになるようにしたいと思っています。

そして今まで公言はしてこなかったのですが、作者としては
もしドローダウンが20%に達するような事があれば、プロジェクトの継続か停止かを判断するつもりです。
FrameTradeの有効性が発揮されている限り、ドローダウン20%は考えづらいので
もしそこまで進行してしまうような事があれば、もう一度考え直す必要があるだろうと考えています。

逆に言えば、このプロジェクトは300万の20% = 60万円が
プロジェクトをトータルで見た時に発生する、最大の損失額です。

もちろん、1000万に達してから20%失って800万になると200万の損失な訳ですが
これはまぁプロジェクトのスタートから見れば500万儲かっているとも言えますので
純粋な意味で、手持ちの資金が最も減って回収できなくなる最大の金額という意味では、60万です。
そう考えると、60万をリスクとして晒す代わりに1億を目指すプロジェクトとも言えます。

先ほどの方法を使えば、リスクも定額化しますので
300万→240万になる時、100万→40万です。
資金の大小に関わらず、1億を目指す上でのリスクは60万が上限になります。

■ 実資金に関係なく、300万での運用と同じになるという事は

今回の方法、100万の方は300万と同じトレードが出来る訳で面白い訳ですが
これは300万の方にとってもメリットがあります。

資産300万を用意できる方でも、300万全部が一つの口座に縛られ動かせない状態になるというのは
運用効率上、少し気に掛かるのではと思います。
特に、投資に興味のある方なら尚更です。

そういった時、150万だけAutoTraderの口座に入れておけば、
残りの150万を違うシステム、違う金融商品で運用する事が可能になります。
にも関わらず、実際のトレードは入金額に関係なく300万と同じトレードが維持できます。
もし途中、ポジションが増え口座レバレッジ上限が気になってきたら、その時追加入金すればOKです。

なので、300万の人は運用効率が向上し、100万の人はプロジェクトと同じように1億を目指せるという事で
これはどちらの人にとってもメリットがある機能になります。

■ 100万→40万になる過程で、口座のレバレッジ上限に近づいた場合には

プロジェクトが50万円負けたとすると、
100万で300万をシミュレートしていた場合、50万で250万をシミュレートする事になりレバ50倍になります。
こうなると、口座のレバレッジ上限に達していなくともポジション保有時のマージンが足りなくなるため
運用に支障が出てくる事もあるかと思います。

ただ、そういった時でも、FrameTradeはそもそもレバ10倍と設定していても
現在のように、実質ほとんどの相場はレバ5倍程度に抑えられますから、実質レバ25倍程度で済みます。

また、そもそも300万をポンと用意するのは難しくとも数ヶ月に渡って少しずつ追加するのは可能という方も多いと思いますので
そういった追加入金によってレバレッジ上限に達しないよう調整していけば
結果的には、リスク自体は60万が最大なので追加した分損失が増える訳でもなく
何とか運用していけるかと思います。

それに一応プロジェクト上は、ほぼ大抵の場合ドローダウン10~15%で運用する予定です。
ですので大抵の場合の最大のリスクは、30万~45万と言える事になります。
これは、300万ポンと用意できない方(作者含む)にとっては
大変有効な手立てとなりうるのでは…?と思います。

■ さらに! 差額を埋める方法も

今回の方法により、100万と300万の差額が固定となり
100万で9800万を目指せるという話を書きました。
…でも、9800万に達するなら、今度は1億までほんのわずかって感じますよね。

今回はここまで定額の魔力を使ってきたわけですが、
ここで更に戻って再度定率の魔力をほんのちょびっと使うことで
連続的に、300万との差を埋めていく方法があります。

といっても、ちょっと時間が差し迫っておりますので計算式と簡単な説明のみにしたいと思います。
方法はというと、今度は1億達成までの"差額"で比を取り、レバレッジに掛けるという方法です。

【1億までの差額】

1億 - 300万 = 9700万
1億 - 100万 = 9900万

【計算式】

300万シミュレート後のレバ x (9900万 ÷ 9700万)

です。

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9900 ÷ 9700 は 1.02くらいです。
今度はこれをレバに掛けます。
すると、最初の例で言えば
300万がレバ10倍で30枚のポジションを持つ時
100万がレバ30.6倍で30.6枚のポジションを持ちます。

こうやってレバレッジを決めていくと、300万が1億に達する時、100万も1億に達します。
差額の200万は、1億を目指す間の9700万とか9900万とかいう長い道のりを進む間に
きれいに分散され、ほとんど誤差のように埋め込まれて消滅してしまいます。

…スタート時点での100万と300万の差は我々には大きいですが
9700万と9900万として見れば、大差がないという事ですね。

ただこの方法だと、最初の例のようにレバが高くなった分損失に繋がりやすいというのはあります。
通常より1.02倍レバが高くなるので、定率による複利への悪影響がほんのちょびっと出るという事です。

ただ、ポジションメイクの度に仮想シミュレータによりレバを算出しつつ、毎回1億までの差を取って比を掛けるなら
そう気にならない範囲で、実際本当に9700万と9900万の過程に分散され埋め込まれるので
ほとんど誤差のような違いになります。

■ これは、300万の人にとっても精神安定剤になる

以前、『プロジェクト開始当初の負けがやや気にならなくなる方法を用意している』と書いたのはコレです。
言ってしまえば、300万から3%負けて291万になった時、
291万で300万をシミュレートして、差額の9万円を埋める機能を使えば
それこそ9万円なんて、1億を目指す上では誤差のようなものなので
運用過程できれいさっぱりなくなってしまいます。

もちろん、プロジェクトの運用モデルはこの機能を使いませんので
291万まで減ったら、291万円のままプロジェクトを運用していきますが

 『今負けてる数万円の差は、いつでも誤差のように消滅させる事が出来る』

と思えるのは、保険として精神上とても良い効果があるようにも思います。

プロジェクト当初の9万の負けは、プロジェクト上は9700万と9709万の差なので
この機能を使えば、いつでもほとんどなかった事にできます。
そう思えるのは、精神の安定が重要なシストレにとってとても意味があると思えます。

■ もう一つのメリット

今後、『モデルケースのポートフォリオに自動追随する機能』を追加予定と書きましたが
例えばリスクを下げるためにレバ8倍で運用したい人は、
その機能によって自動追随して勝手にレバ10倍になると困るわけです。

そういった場合に、今回の機能の方で300万のレバ8倍をシミュレートするようにすれば
モデルケースの変更に自動追随しつつ、リスクは全部自分で設定可能になります。

また、リスクを下げたいという意味では
300万入れておきつつ、『200万のレバ10倍をシミュレートする』なんてことも出来るので
通常のレバの増減によるリスクコントロールより、より柔軟で幅の広いリスクコントロールが可能になります。

■ そしてFrameTradeとの相性

今回の方法は、結果的にレバレッジが小数点以下になる事も多く
通常のBuyとSellの指示が出るだけのシグナルには適用しづらい方法ですが
それがFrameTradeなら毎日常にシグナルは小数点以下の重み付けで配信されるので
何もせず、そのまま用いるだけで最大限に効果を発揮する事ができます。

今回の機能はどれもFrameTradeとの相性抜群です。

■ レバも自動的に下がっていきます。

開始当初、100万で300万をシミュレートする時はレバ30倍ですが
これが400万と600万になる頃には、すでにレバ15倍にまで落ち着きます。

そうやって最終的にはほぼ同一のレバ10倍というラインに落ちついていくわけで
なかなか安全安心な仕組みです。

■ 最後に

作者としては、今回の方法を使って
『300万によって600万をシミュレートしながら1億を目指すプロジェクト』
なんていう事にしてしまえば、実質16~7倍にすればプロジェクト終了できるのでとっても楽なんですけども
さすがに、それはいたしません。

今回の機能は、運用に柔軟性を持たせ
より多くの方に選択肢をご提供するためのものなので
プロジェクトでは使用いたしません。(まぁ、当然ではありますが・・・)

ですが今回の機能により、プロジェクトは
『リスクが30~45万程度、最大で60万を上限に、1億を目指すプロジェクト』
と言い換えられるようになったので
300万がネックだった方にとっては、これはとても選択肢が広がるのではないかな、と思います。

…作者自身、当面サーバーに全額投入して資産運用のお金を用意できないので、これはとっても有難く
ひとまず70~80万ほど工面して、数ヶ月かけて残り20~30万をちょっとずつ工面していこうかなぁなんて思ってます。(ひょっとしたらもうちょっと工面する必要もあるかも知れません、その辺りの計算はまた追々)
でも、それで300万と同じトレードができるというのは非常に有難いですし
リスクが最大60万というのも、痛いけれど、でもまぁそれで1億が目指せるのであれば、と思えます。

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そんな訳で、仮想資金シミュレートと差額分散という新機能2つのお話でした。
これは、現在開発中で、もうちょっと掛かりそうですがなるべく早めにご用意したいと思っております。
ですので、もし
なるほど、そういったやり方で100万スタートでもプロジェクト通り1億が目指せるなら自分も…!
と思われた方おられましたら
もう募集もそろそろ終了に向けての段階を進めておりますので、ぜひまたご検討頂ければ幸いです。

しかしこの方法、意外と思いつかないもんですね。
考えてみれば当たり前なんですけど、あまり聞いたことないですし。
でもまぁ、自分で思いつけてよかったです。

ただ、もし既に『別の金融商品解約しちゃったよ…!』という方居られましたら
申し訳ないです。
いやホント、思いつくまでこの方法気づかなかったもので…。

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ちなみに、もし今回の方法を『すごい…! よく気づいた!!』と思われた方、
FrameTradeの内部はもっと珍しく興味深いトリック(衝撃的と言ってもいいレベル)が満載ですので
まぁ出てくるトレードは地味なんですけど、『そんなに増えないと思ったら、気づいたら資産が何故か増えている』を
目指しておりますので、少し気長に様子を見て頂ければと思います。

大晦日にこんな長文で申し訳ない!
年越しの肴にでもして頂くという事で
皆さん良いお年を!


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posted at 2009年12月31日 11:21