2007年03月25日

通貨やシステムそのものを選択するフィルター

現在、うちのフルレバシステム君は『3通貨のパワーバランスを把握する』というフィルターを使って、"その時、最も勝てそうな通貨1つにレバを絞り込む"という事をしてます。
ただこのフィルター、あんまり出来がよろしくない。
システムそのものはもっと勝率いいのに、このフルレバ大好きという頭悪いフィルターのせいで見た目の成績が悪くなってます。

でも昨日、そんな頭悪いフィルター部分で一つ
今までのに取って代われそうな、応用の幅が広そうなフィルターを思いつきました。
今回は仕組みも含めてすべて公開してみます。

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仕組み自体は至ってシンプルです。

・ある特定の期間(たとえば20日間)のトレード結果から通貨別にPFを算出する
・それを1日ずれるごとに算出。つまりPFの移動平均のような推移を各通貨で出しておく
・そして実際トレードする時、『その時点でもっともPF移動平均の値が良い通貨』でのみ売買をし、他の通貨はスルー

…こんな感じです。

まぁ言って見れば『最近調子のいい通貨でのみ勝負する』って事で、
確か、"タートルズの手法"のフィルター部分で似たようなのありましたね。
あれが時間軸に対してのフィルターなら、こっちは対象に対するフィルターという感じでしょうか。

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ちなみにこのフィルター、上記のように『同じシステムを別々の通貨で使用する場合』だけでなく
逆に考えれば、『別々のシステムを同じ通貨で使用する場合』でも同じような事ができる事に気付きます。
…どういう事かというと、たとえば短期用のシステムが二つ手元にあるなら、以下の二つの運用方法

・2つのシステムを同時運用(2つが共存できるレバで運用。よくあるやり方)
・n日間のPF移動平均の良かったシステムのみ使用し、どちらを使うかはリアルタイムに切り替え(1つのシステムが全ての資産を使える)

こういう選択肢が生まれるという事で、
このどっちが良い成績を生むかは、ちょっと検討してみる価値あるかも知れません。

…というか、そもそも年間のPFが同じくらいでも、短期的に算出すればPFが凄く高まる事も、凄く下がる事もあるわけで
そういう時、今回のフィルターにて自動で2つのシステムが入れ替わるようにしとくと、結構ドローダウン抑えられそうにも思えます。
…更にもし、その似たような成績のシステム2つが、同じくらいの短期システムでありつつ『順張りシステム』と『逆張りシステム』という正反対なものなら
―…切り替えが上手く作動すれば結構な成績に化けるかも…って気がするのは、ちょっと気が早いですかね。
昨日思いついたばかりなので、まだ実はさっぱり検討できてません。
(しばらく忙しいので、当分検討できそうにないです)

ただ、結構良さ気な感じはするので、この辺りはまたちょっと試して、うちのシステムとの相性を見てみたいです。
『勝ち馬に乗る』という意味では、わりとn日の対象期間を狭めても効果ありそうだし、なんにでも応用できそうだし、シンプルなルールでうまく機能しそうな気がするんですが、さて、どうなるか―。
少し検討してみたら、また結果書こうと思います。

以下、自分用メモですがついでに公開。
まぁ一応こんな事考えてます、という事で何か考え方の参考になれば。

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このフィルターをもっとシステム製作の根本の前提にするのはあり。
つまり、最初から切り替えて使う事を前提とし、『お互いの役割分担がうまく切り替わる』のをメインに考えつつ2つのシステムを同時に1から考えていく…なんてやり方もありかも知れない。
その場合は、やっぱりお互いの性質が正反対の方が良さげ。
…となると、今までトレードシステムは『好調不調の差がない方が良い』とされてきたが、2つの切り替えを前提にするなら逆に『好調不調がはっきり表れる(切り替えやすい)方が良い』という事になりうる訳で、今まで敬遠されてきたやり口のシステムも生かせるようになるかも知れない。
あと、ひょっとするとわりとシンプルな順張りシステムと逆張りシステムの方が、今回のフィルターによる『切り替え』が上手く作用して良い結果を生むかも知れないので
そういった『切り替わり』に適した方向性というのも模索してみるといいかも知れない。
で、二つ揃って連星のように作用するよう作っていく。

このフィルター、同時に比較するシステムは2つでなくてもいい。4つとか5つとか用意して『上位2つを使う』としてもOK。
個数にとらわれる必要はない。

好調不調の判定は、今回PFで考えたがもちろんなんでもいい。調整PFでもDDでもいい。それに、それこそ「トレード回数」みたいな通常の利益と直接関係ない値にこそ「好調不調」の波が表面化する可能性はある。なので、『成績がよく見える値』に固執しない方が良さげ。

PFやDDなど何で選択してもいいという事は、それ自体を同様の仕組みで選択してもいいということ。
つまり、「ここ3ヶ月を10日PFで選択していった場合と、10日DDで選択していった場合だと、PFでの選択の方がTotalNetが良いから今日は10日PFに選択させる」という風に、PFで選択するかDDで選択するかを、更に上の階層で選択する、なんていう2重構造もできる。…さすがにややこしいが。

PFでもDDでもいいと言ったが、1つのパラメータに拘る必要も無い。PFやDDなど複数の値を好きなだけ用い、優先したい比率で組み合わせて「総合スコア」みたいなのを出し、その推移で判定してもいい。ややこしいが。

今回は移動平均で比較したが、そこも固執する必要はない。値が比較できればいいのだから、RSIでもストキャスでもなんにでも置き換え可能。

ここまで『勝ち馬に乗る』フィルターだとしてきたが、逆に、勝率が想定より極端に下がったら『そろそろ勝つ』という風に切り替えるやり方もある。つまり『あまりにも不調過ぎたら逆にそろそろ勝つかも知れない』という事で、言って見れば逆張り。ただ、これはちょっと本質的に危険が伴いそう。でも少しくらいは試しに考えてみてもいいかも知れない。
それこそ毎年安定して勝率70%をキープしてるシステムが、ここ1ヶ月で見た時勝率30%台にまで落ちている…という状況なら、確かにちょっと高確率で大復活しそうな気がしないでもない。
ちなみにこの逆張り、S/Lもセット可能であるので、それも考慮してみる。

今回は『好調具合』を計って来たが、この好調具合は一つのシステムに見立てる事が可能。
つまり今回n日間の移動平均1つの値の良し悪しで判定したが、たとえば移動平均を2つ用意し、10日MAと20日MAの交差で判定し、ゴールデンクロスしてるシステムだけ使用して、デッドクロスしたシステムはスルーする…などという選択方法もありと言えばあり。…まぁさすがにややこしすぎそうだが、そこまで応用可能ということ。

複数のシステムを比較する場合、常に似たような比較が可能だとは限らないので、お互いが上手く切り替わる為に片方にゲタを履かせるのもありかも知れない。
つまり、切り替わりが上手く機能するなら"互いが対等である必要はない"、ということ。

とまぁ、あーだこーだとこんな感じでいつも考えております。
時間ができたらまたもっと深く考えに耽ってみようと思います。
では、そんなとこでまた次回!


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posted at 2007年03月25日 18:15

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コメント

投稿者 yoyo : 2007年03月25日 18:53

今回のお話興味深く読ませていただきました。
面白いアイディアですよね。次回も楽しみにしています。

投稿者 nacady : 2007年03月25日 20:13

おもしろいですね!
かなりぐっどなアイディアだと思います。
がんばってくださいね。

投稿者 otk : 2007年03月26日 13:56

>> yoyoさん

ありがとうございます。
今回のはけっこう使えそうな気が自分でもしてます。
次は、実際使ってみた結果などを載せてみたいですね。
がんばります。

>> nacadyさん

ぐっどですか! がんばります。ありがとうございます。
ちなみにnacadyさんのブログ、いつも拝見してますよ
おかげで、だんだん自分も旅行がしたくなってきまして。 笑

ともあれ、mapシステムも始動という事で注目して見てます。
お互いがんばりましょう!

投稿者 ちゃぴ : 2007年03月26日 17:13

いつもながらすごいですね~。
プログラム面倒臭そうですけど、
システム化してしまえば多数のルールを
併用できて面白いですね~。
otkさんの結果がよければこちらも実装を
考えてみたいです。

自動売買のほうはテストということで
高レバで6通貨ペアでバンバン売買してたら
すごいマイナスになっています。(笑
やっぱり通貨ペアは絞らないとだめですね~。
ルールも含めて近いうちに勝てそうなものに
しようと思います。

次回以降も記事本当に楽しみにしています。

投稿者 otk : 2007年04月02日 08:05

どうもです!
今回のは結構有効な気配しますよね。
なるべく早く実証データを挙げたいところです

> 自動売買のほう
高レバ6ペアだと減り怖そうですね(^^;
通貨ペア絞りはやはり有効な気がします。
あとで更新しますが、自分も今週から更に絞ってUSD/CHF外すかも知れません。。。

投稿者 sionm : 2008年11月15日 07:44

なかなか面白い発想ですねw
ただ平均値を求める場合、遅行分のリスクは考慮しなければならないですね。